「アスリート×温泉」西伊豆町と東海大が研究 回復効果など検証 スポーツ合宿誘致へ
西伊豆町と東海大スポーツ医科学研究所(神奈川県平塚市)は、温泉施設で行うトレーニングがアスリートの心身に及ぼす疲労回復効果の検証を進めている。体の状態を従来の運動時と比較する研究を実施し、温泉の科学的な効果を示す。成果を基に、練習プログラムや地元食材を使った料理を提供するスポーツ合宿プランの開発を目指す。
伊豆地域の健康増進や産業創出を図る県の「伊豆ヘルスケア温泉イノベーション(ICOI)プロジェクト」の一環。昨年12月下旬、近隣の松崎町B&G海洋センターで体育会系の10~20代の男子学生15人が実験に参加した。地元湧出の源泉が流れ込む温水プールでウオーキングやストレッチに取り組み、心拍数や唾液の成分を測定した。
同研究所の山田クリス孝介特任准教授によると、温泉の温熱作用や成分などによって精神と身体の両面でリカバリー効果が期待できるという。参加者は実験後、松崎町の飲食店で高タンパク低脂質の鹿肉や地元の名産品「潮かつお」を使ったアスリート向けの料理を味わった。
西伊豆町などは昨年10月にも、町内でラグビーリーグワン1部の静岡ブルーレヴズの選手が参加する同様の実験を行った。町まちづくり課の斎藤英知係長は「実験の結果を生かし、少年団からプロチームまで幅広い世代のスポーツ合宿誘致につなげたい」と意気込みを語る。
実験の成果を2月下旬までにまとめ、県に報告するという。
(松崎支局・太田達也)