特産「栄久ポンカン」が機能性表示取得 松崎町の三余農園、収穫期迎える

 松崎町那賀の三余農園が栽培する特産品「栄久(えいきゅう)ポンカン」が、精神的ストレスや疲労感を和らげる効果が期待できる「機能性表示食品」として、消費者庁に受理された。同園によると、ポンカンの受理は全国初という。

機能性表示食品として承認された「栄久ポンカン」を収穫する土屋さん=松崎町那賀
機能性表示食品として承認された「栄久ポンカン」を収穫する土屋さん=松崎町那賀

 園主の土屋人さん(35)は3年ほど前に「消費者の健康に何らかの形で寄与できるのではないか」と考え、研究機関と共同で成分の調査を実施。ストレスや疲労感、血圧を下げる機能があるアミノ酸の一種「GABA(ギャバ)」を含むことが分かり、昨年8月に届け出が受理された。
 松崎発祥の栄久ポンカンは1934年ごろ、2代目園主の土屋栄久さんが台湾から穂木を譲り受けて広めたとされる。濃厚な甘みと香りの良さが特徴で、町内の農家数軒でのみ生産される希少性や栽培の難しさから〝幻のポンカン〟とも呼ばれている。
 今年の出荷分から機能性表示食品「栄久ぽんかんPREMIUM(プレミアム)」として、町内の直売所やネットで販売を始める。土屋さんは「ポンカンの新たな価値を生み出せたと思う。松崎の特産品として定着させられるよう励みたい」と意気込んだ。

 収穫期迎える 20日ごろ出荷へ
 松崎町で「栄久ポンカン」が収穫期を迎えている。三余農園では10人ほどの従業員が作業に取り組み、20日ごろに出荷を始める見通し。作業は2月下旬まで続くという。
 同園によると、昨年は雨量が多く病気の懸念があったが順調に生育し、例年よりもやや大ぶりに実ったという。例年通り約20トンの収穫を見込んでいる。
 

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