大自在(1月8日)第二成人式

 きょうは「成人の日」。成人年齢が18歳に引き下げられ、成人式は「はたちの集い」などに名称を変えた。静岡県内でもきのうまでに、20歳を迎える若者を祝う式典が各地で行われた。
 一方、能登半島地震で被災した輪島市や珠洲市など石川県内の12市町では取りやめに。どんな形になるか分からないが、平穏を取り戻して無事開催できる日が来ることを願うばかりだ。
 「第二成人式」という言葉を、劇作家の小林賢太郎さんの「短編集 こばなしけんたろう改訂版」(幻冬舎)にある「僕と僕との往復書簡」で見つけた。20歳の自分が、手紙をやりとりする20年後の40歳の自分に「40歳で迎える『第二成人式』という物語を書いて」とリクエストする。
 「第二成人式」に似た言葉を使う自治体がある。焼津市は2023年度から「第二の成人式」の開催支援金の交付を始めたという。対象は40歳ではなく、25~35歳の市民。市外転出者のUターン促進を狙い、同窓会の費用を支援するというもの。福井県越前市にも同じような制度がある。
 新潟県柏崎市の取り組みも興味深い。こちらは長寿を祝う「第二次成人式」。還暦から20年目を「第二の成人」とし、80歳を迎える高齢者の長年の社会貢献に敬意を表する。1965年に始まり、昨年9月の式典が59回目という伝統の行事。
 さて、小林さんの短編。40歳の自分は、20歳の自分に「夢が叶[かな]うということは、自分で叶える方法を考えて、実行すること」と答えた。「第二成人式」の物語は、20歳の自分が積み重ねて磨き上げるものだと。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞