静岡人インタビュー「この人」 連合静岡の事務局長に就任した 今泉竜さん(浜松市中区)

 10月の連合静岡定期大会で事務局長に選出された。ヤマハマリン(現ヤマハ発動機)労働組合副委員長、ヤマハ発動機労働組合副中央執行委員長などを歴任。浜松市天竜区二俣町出身。47歳。

今泉竜さん
今泉竜さん

 -抱負を。
 「県内企業のうち、8割以上の企業は労働組合を持たない。一つの会社に長年いると、その組織の論理で考えが凝り固まってしまいがちだが、組合の活動で多様な価値観に触れることができた。経験を生かし、組合に入っていない人も含め、働く仲間を守るために汗をかきたい」
 -連合静岡の課題は。
 「現在約20万の組合員が加盟しているが、昔と比べて組織率が低下している。力を発揮するためには組織を大きくする必要がある。今の政治は弱い立場の人のためになっていない。政治に労働者の声を届け、より身近な政治にしていきたい」
 -これまでの組合活動で印象的だったことは。
 「東日本大震災の発生から4カ月後、宮城県石巻市で自動車総連の一員としてボランティアに加わった。被災した住宅から土砂をかき出す作業をする中で、被災者は1人では生活できないと知った。あの時ほど支え合いを実感したことはない。『困った時はお互いさま』という考えが今も活動の根底にある」
 -今後取り組みたいことは。
 「近年は転職が当たり前。個人と組織の成長のため、転職を前向きに捉える必要がある。定年退職後についても、会社に在籍するうちに考えられる環境を整えるべきだ。退職者の知識やノウハウを社会で生かさないともったいない。社外のつながりを持つ連合だからこそ、他者との交流を通じ、視野を広げる場を提供したい」
 (政治部・大沼雄大)

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