ヤマハ発動機でプレー ラグビー元日本代表山村さん「最初のスクラム注目」

 「トゥールーズには縁があるんですよね」

日本代表の取材に訪れた元代表の山村亮さん=トゥールーズ
日本代表の取材に訪れた元代表の山村亮さん=トゥールーズ

 そう言って豪快に笑うのは、2004年から17年にわたってヤマハ発動機ジュビロ(現静岡ブルーレヴズ)でプレーした山村亮さん。トップリーグ出場数は歴代最多の173試合、日本代表キャップは39試合を数えるラグビー界のレジェンドだ。
 07年のワールドカップ(W杯)では日の丸を背負い、今大会、日本対チリ戦が行われたスタジアム・ド・トゥールーズでプレーした。地元のラグビーファンから「ジャポン!ジャポン!」と温かい声援を受けたことは今でも忘れられない。
 今回は、日本代表取材のため思い出の地を再訪。試合会場では、桜のジャージーを着た日本人ファンの多さに驚いた。07年にはなかった光景だ。「大応援団の熱気に包まれて、選手たちが“いい顔”をして入場してくる瞬間はしびれた。W杯はやっぱり、ラガーマンにとって最高の舞台」
 17日には、ニースで日本対イングランド戦が行われる。「勝負のカギを握るのは、間違いなくスクラム」だと山村さんは言う。自身も最前列を担うプロップを任されてきた身として、その重要性は熟知している。「特に相手ボールの最初のスクラムがうまくいけば、その後、心理的にも優位に立てる。逆にそこで押されると、試合中ずっとプレッシャーを感じてしまうことになる」と言うほど、メンタル面に与える影響は大きい。
 ヤマハ発時代は、現在日本代表のスクラムを担当している長谷川慎コーチの指導を受けた。「慎さんのスクラムは、8人それぞれに明確な役割と責任がある。だから誰一人としてサボれないしサボらない。まさに8人全員で作り上げているもの」。そのスクラムを、ニースのピッチでも組むことができれば、日本代表はまたひとつ歴史を塗り替えると確信している。(スポーツライター・藤原志織)

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