絶滅危惧種ベッコウトンボ保全へ 磐田・桶ケ谷沼 活動に地元企業参加

 磐田市岩井の桶ケ谷沼に生息する環境省指定の絶滅危惧種「ベッコウトンボ」の保護団体の活動に、今夏から地元企業が参加する。団体の高齢化で人手不足が課題となる中、地域住民、企業、行政が三位一体となってトンボの保全活動に取り組み“市の宝”を守る。

羽化したベッコウトンボ=3月、磐田市岩井の桶ケ谷沼(市提供)
羽化したベッコウトンボ=3月、磐田市岩井の桶ケ谷沼(市提供)

 参加するのは、市内に本社や事業所を置く12社の計約30人。参加者は主に平日の勤務時間中に活動に従事する。ベッコウトンボをはじめとするトンボ類を保護するため、ヤゴの飼育や周辺の草刈りを行う。アメリカザリガニやミシシッピアカミミガメを捕獲し、外来種対策にも取り組む。
 地元住民などでつくる保護団体「桶ケ谷沼自然環境保全地域管理運営委員会」が、事務局の磐田市に相談したことがきっかけ。市が、地元企業に参加を呼びかけ実現した。市環境課は「継続的な活動には、団体の高齢化が課題。企業の皆さんには、社内報などを通じて多くの人に活動を広めてほしい」と話す。
 桶ケ谷沼には、県内で確認されているトンボの種類の3分の2、国内の3分の1に当たる71種が生息している。
 27日には、地元企業4社約15人が保護団体とともに活動に取り組む。
 (磐田支局・崎山美穂)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞