橋桁落下事故 労働安全衛生法違反容疑で捜査 サンドルの撤去手順注視 静岡労基署

 静岡市清水区尾羽の国道1号静清バイパス「清水立体工事」で工事中の橋桁が落下し、8人が死傷した事故で、静岡労働基準監督署が作業主任者による作業員への指揮や安全管理態勢など作業手順が適切だったかについて労働安全衛生法違反容疑で捜査を進めていることが13日、関係者への取材で分かった。事故当時は、橋桁を橋脚の所定位置に設置するため、橋桁を支える枕木の役割を果たすサンドル(1個高さ15センチ)を油圧ジャッキを用いて外す作業中だった。こうした作業が手順通りに行われたか、慎重に調べる。
 関係者によると、設計図通りであれば、当時は約2メートルの高さまで組み上がったサンドルを1メートルほど降下させた時点で事故が起きたとされる。業界団体が作成した技術者向け情報では、安定性の観点からサンドルの高さは4メートルが限度で、設計図通りなら、サンドルの高さ自体は適正だった可能性が高い。橋桁西側では安定を維持するため、マニュアル通りにサンドルは井桁状に組まれていた。こうしたことから、静岡労基署は現場での作業の具体的な手順に問題があった可能性にも着目し、捜査する。
 同労基署は、サンドル撤去時の手順のほか、橋桁の東西に配置された作業員が同じスピードで橋桁を橋脚に降下させるという息の合った作業が要求される中、東西の作業間で連絡や調整が十分に取れるよう現場を統括する工事の元請け会社が措置を講じていたかについても調べを進めている。

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