川勝知事 県議会で陳謝、釈明 給与返上条例案を9月定例会に提出へ

 川勝平太知事は12日の静岡県議会6月定例会最終本会議で、いわゆる「コシヒカリ発言」を巡って2021年11月に給与返上を表明したまま返上されていないことについて、「県議会や県民に不信を抱かせてしまった」と陳謝し、給与返上の関連条例案を9月定例会に提出する意向を述べた。知事の報告を受けて県議会各会派は同日午後、質疑を行う見通し。

給与返上問題を陳謝し、関係条例案提出を表明した川勝平太知事=12日午前、静岡県議会議場
給与返上問題を陳謝し、関係条例案提出を表明した川勝平太知事=12日午前、静岡県議会議場

 川勝知事は「県議会、県民に十分に考えを伝えてなかった」と謝った上で、「条例案の議会への提案に向けて努力や調整をしたが、議員からの『辞職勧告決議は給与返上を求めるためのものではない』との考えや、『給与返上と責任の取り方には関係性がない』との意見を踏まえ、当時、提案を見送った」と経緯を説明した。
 知事は「条例案を提案したいとの思いはその後も全く変わっていない」とし、今月5日の県議会総務委員会で委員から「言行不一致」などの指摘があったことを受け、「県議会で給与返上の条例案を審議してもらえる環境に変わったと認識した」と、条例案提出の再表明に至った理由を述べた。
 川勝知事は21年10月の参院静岡選挙区補欠選挙での野党系候補の応援演説で、御殿場市を「コシヒカリしかない」などとやゆし、「差別発言」と批判が起きた。県議会は21年11月に県政史上初めて辞職勧告決議案を可決した。当時、川勝知事は辞職はせず、21年12月の給料と期末手当を返上すると表明したが、21年に続き、22年も給料やボーナスが返上されないままになっていた。

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