むらのない焼き上がり 厚さ8ミリのフライパン アドバンスコンポジット(富士市)【しずおかMIRUI企業】

 鉄やアルミニウムといった金属を接合する技術を応用し、国内で珍しい厚さ8ミリのフライパンを開発した。高い保熱性能やむらのない焼き上がりをアピールして販路開拓を進める。

新たに開発した厚さ8ミリのフライパン。焦げにくく、余熱を長時間保つ
新たに開発した厚さ8ミリのフライパン。焦げにくく、余熱を長時間保つ
佐竹浩子さん
佐竹浩子さん
新たに開発した厚さ8ミリのフライパン。焦げにくく、余熱を長時間保つ
佐竹浩子さん

 アルミニウムを加熱して溶かし、高圧プレス機で鋳造する「溶湯鍛造」技術が強み。半導体製造設備の部品生産をはじめ多様な仕事を請け負う。飲食店チェーンからの注文でステーキ皿の開発などを手がける中で、独自性を持つフライパン製作に挑戦した。
 加工温度や金型を変えて試作を重ね、6カ月かけて鉄皿をアルミで包み込む技術を確立。一般的な厚みは1~4ミリ程度。倍以上の厚みだが、アルミを効果的に用いて直径24センチ・重さ約1キロと軽量化に成功した。分厚い調理面は熱を均一に伝えるため焦げにくく、IHにも対応して初心者も調理しやすい。余熱を長時間保つ特性もある。
 2022年の発売以降、ホテルやレストランでの使用が広がった。キャンプやバーベキューなどアウトドア用品としての需要も見込む。好評を受けて今年、直径27センチサイズのフライパンを発売した。
 クラウドファンディングで調達する資金は、新商品開発などに充てる。販売やPR戦略を担当する経営企画室の佐竹浩子さんは「食卓に並ぶ料理のおいしさを引き上げるフライパンの改良を重ねていく」と意気込みを語る。

 クラウドファンディング
 目標額 15万円(6月終了予定)
 返礼品 フライパンなど

 ◇会社概要 創業2015年、従業員30人

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