大風量の小型ファンモーター アドビック(磐田市) 円筒形で局部早く冷却【静岡ものづくり最前線】

 ファンと電動機が一体化していて、産業用機器の過熱を防ぐための冷却などに用いられる。鉄芯がなく、回転が滑らかなコアレスコイルを採用し、小型・軽量ながらも毎分1万4千回の高速回転を実現している。汎用(はんよう)性の高さも特徴。

小型ながらも大風量のファンモーター
小型ながらも大風量のファンモーター

 直径3・6センチ、長さ4・5センチで、風量は毎分500リットル。ファンモーターは角形が一般的だが、円筒形にしたことで風を拡散させず、まっすぐ飛ばすことができる。熱源にピンポイントで圧力の高い風を当てることができ、冷却スピードも早くなるという。
 送風だけでなく、空気を吸い込む力を生かし、防じん服内のちりを外部に漏らさないように回収するフィルター装置や、クリーンルーム内で使う局部防じん設備などにも利用されている。
 2024年春の販売開始を目標に、消費電力を抑えた新設計の駆動回路や新しい形状のファンを採用した新型の開発を進めている。風の特性を生かした新たな用途や商品の開発も模索中。池谷之孝社長は「例えば香りを運ぶなど、風を使う製品の可能性は想像以上に大きい。風を生かしたものづくりに挑戦したい」と意欲を示している。

 企業情報 磐田市万正寺499の2。1983年創業。従業員16人。

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