立体外視鏡の販促強化 浜松医大発ベンチャー 奥行き把握し手術

 浜松医科大発ベンチャーの「はままつメディカルソリューションズ」(HaMS、浜松市東区)は、自社で開発した手術顕微鏡(立体外視鏡)の販路開拓を強化する。コロナ禍で部品調達が遅れたり、学会などで機器を紹介する機会が限られたりするなどの影響を受けたが、国内の病院への本格的な売り込みに入る。

HaMSが本格的な売り込みを始める立体外視鏡=浜松市東区
HaMSが本格的な売り込みを始める立体外視鏡=浜松市東区

 開発した立体外視鏡は手術部位をとらえるカメラを内蔵した鏡筒と、拡大した映像を映し出すビューワーを分離し独立性を高めた。医師はビューワーを両目でのぞいて立体視し、奥行きや距離を感じ取りながら手術を進める。医師が無理な姿勢をせずに済むなど円滑な手術にも寄与する。昨年10月に受注を開始した。
 同社によると、現在は同医大付属病院の脳神経外科や整形外科など5科でデモ機を活用している。日本国内に約3千台あるとみられる手術顕微鏡のうちの10%程度を、今後10年間で自社開発した顕微鏡との置き換えを目指す。現在、医療機器の申請準備中の立体内視鏡との併用も見据える。
 立体外視鏡の販路開拓については、日本政策金融公庫浜松支店国民生活事業、静岡銀行、浜松いわた信用金庫の協調融資を受けた。日本公庫は新型コロナ対策資本性劣後ローンとして3千万円を支援した。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞