湖西市立中いじめ問題 市教育長、元生徒両親に謝罪「対応不適切」

 湖西市立中で2019年に起きたいじめの重大事態を巡り、市教委が設置した第三者調査委員会が当時の学校や市教委の対応が不適切だったとする報告書をまとめたことを受け、渡辺宜宏教育長ら市教委幹部3人が6日、調査を申し立てた被害者の元生徒の両親と対面して謝罪した。渡辺教育長は「寄り添った対応ができず申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

元生徒の両親に謝罪した渡辺宜宏市教育長(奧中央)=6日午後7時10分ごろ、湖西市内
元生徒の両親に謝罪した渡辺宜宏市教育長(奧中央)=6日午後7時10分ごろ、湖西市内

 報道機関に公開した場で謝罪した。渡辺教育長は再発防止策として、市教委内に常設の第三者委員会を設置することと、法解釈を学ぶ教職員研修の実施、各学校のいじめ対策組織の見直しを行うと説明した。
 一方、元生徒の両親は市教委内での第三者委設置に反対する所見を提出している。母親は改めて「市教委内ではなく市長部局に監察組織を置き、いじめの影響が長期化する前に芽を摘むべき」と対応を求めた。当時対応を誤った教職員の処分といじめに関与した側の元生徒に対する報告書の結果報告や指導も要請した。
 渡辺教育長は終了後の会見で、常設の第三者委については「市長部局に置く監察組織とは性質が異なり、調査委の報告でも提言された内容」として設置を進める意向を示し、市長部局側の対応は別途検討するとした。教職員研修は、各校の校長や教頭を対象に、夏にも実施する方針を示した。

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