駿河湾、大井川鉄道、富士山… テント前に広がる絶景魅力 静岡県内のキャンプ場訪ねました【しずおかアウトドアファン】

 キャンプ場選びのポイントと言えば、食に加えてテントサイトからの眺めも大きな要素の一つ。静岡県内のキャンプ場は、ほかではあまり見られない絶景が評判の施設も多い。海や山、鉄道など魅力あふれる眺望を堪能できる施設を探して各地を訪ねた。 photo01

アプトいちしろキャンプ場(川根本町梅地) photo01 キャンプ場の対岸を走るアプト式列車の眺めが人気のアプトいちしろキャンプ場=川根本町
 大井川の渓谷を走る大井川鉄道井川線。国内で唯一、急坂を行き来するための歯車が付いたアプト式鉄道が走る。テントサイトからこの列車を見られるのが「アプトいちしろキャンプ場」(川根本町梅地)だ。
 キャンプ場の目の前を流れる川を挟んだ対岸は崖になっていて、列車は1日数回、崖上の線路をゆっくりと通過する。木々の緑に赤色の車体が映え、ゴトゴトと線路から響く音も小気味良い。秋になれば周囲の木々が紅葉で染まる。
 同キャンプ場管理運営組合の西井戸寛二組合長(65)は「キャンプ場そばには廃線跡もあり、ミステリートンネルの名前で人気。近くのアプトいちしろ駅から鉄道で奥大井湖上駅や井川方面へも足を延ばせる」と語る。
RECAMP御前崎(御前崎市港) photo01 テントサイトの目の前に海原が広がる「RECAMP御前崎」=御前崎市
 「キャンプ場に着いたらゆっくり海を眺めて過ごしたい」―。そんなキャンパーにうってつけなのが御前崎市のマリンパーク御前崎にある「RECAMP御前崎」(同市港)。海側のサイトを選べば、駿河湾の海原が目の前に広がる。家族で訪れた清水有真さん(27)=浜松市中区=は「海に近いキャンプ場を利用するのは初めて。景色も良くて、設備も整っている」と笑顔を見せた。担当者によると県内だけでなく、関東、関西方面からの利用も多いという。
 夏場はサイトそばの砂浜が海水浴場になる。少し歩けば、親子連れにうれしい遊具広場も。隣接地の直売施設「御前崎海鮮なぶら市場」では、地元の新鮮な魚介類を気軽に購入できる。
田貫湖キャンプ場(富士宮市佐折) photo01 天候が良ければ、雄大な富士山の眺望を楽しめる田貫湖キャンプ場=富士宮市
 青々とした芝生が広がるフリーサイトの先に、山裾を大きく広げた雄大な富士山がそびえ立つ。富士宮市佐折の「田貫湖キャンプ場」は、1周約3・3キロの湖畔を巡るサイクリングや釣り、近くの天子山地など周辺の山へのハイキングの拠点としても人気だ。白糸の滝や朝霧高原など観光スポットも点在する。
 田貫湖で有名なのが「ダイヤモンド富士」。毎年4月と8月の年2回、富士山頂から太陽が昇る様子を見られるため、大勢の写真愛好家が詰めかける。キャンプ場の遠藤和彦支配人(54)は「夜には年数回、満月が富士山頂から昇る『パール富士』も見られる。満天の星や動物などもぜひ見ていってほしい」と願う。
(生活報道部・草茅出)

<メモ>豊かな自然に恵まれた県内には、さまざまな“絶景キャンプ場”がある。浜松市西区舞阪町の「浜松市渚園」は、浜名湖に沈む夕日で赤く染まる。「RECAMP中伊豆」(伊豆市地蔵堂)は隣接地に落差約20メートルの「万城の滝」があり、迫力ある水しぶきが楽しめる。富士山を仰ぐなら「PICA富士ぐりんぱ」(裾野市須山)や「朝霧ジャンボリーオートキャンプ場」(富士宮市猪之頭)なども候補になる。南伊豆町伊浜の「南伊豆夕日ケ丘キャンプ場」は、高台から望む大海原が人気だ。

 

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