第三者調査「考えず」 精神科暴行で静岡県 団体要請に回答

 沼津市と南伊豆町の精神科病院で看護師らが患者に暴行や不適切な行為をしていた問題で、県は27日、県内の精神障害者や支援者でつくる自助グループの申し入れに回答した。弁護士や精神保健福祉士などの第三者による実態調査について「現時点で実施は考えていない」とした。
 自助グループ「心の旅の会」が1月に要請書を提出し、原因究明と再発防止に向けた当事者への意見聴取や情報開示を求めていた。
 同会によると、県の担当者は職員や患者に対する聞き取りなどを踏まえ、両病院に対し精神保健福祉法に基づく指導をしたと説明。病院側が提出する改善計画書を確認し、対応が不十分だった場合には改善命令を出すことも検討する方針を示した。病院に対する監査結果も開示したが、入院患者の処遇や患者の事故、苦情処理状況は黒塗りだった。
 寺沢暢紘代表は「ほとんどの要請は聞いてもらえず、情報開示も肝心な部分が伏せられていた。県のこれまでの指導も不十分で、最初から改善命令を出すべきだった」と指摘した。

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