記者コラム「清流」 かかし支える努力

 松崎町那賀の農閑期の水田で色とりどりの花を咲かせる「田んぼをつかった花畑」。3月下旬になり、大勢の人が散策を楽しんでいる。その中に微動だにしない複数の人影が-。近づくと、人そっくりのかかしだと分かる。
 町の住民有志が始めた恒例企画で、今年は「おめでとう」をテーマに結婚式や誕生日を表現した。手作りのリアルなかかしの表情やしぐさにクスッと笑ってしまう。毎回現れる青年のかかしは、当初独身だったが、年月を経て結婚し、子どもができたという設定のユニークな作品もある。
 かかしの展示には苦労もあるという。雨の日は、新聞紙などでできたかかしをぬらさないようかっぱを着せる。住民の陰ながらの努力によって、かかしを楽しめていることを忘れないようにしたい。
 (松崎支局・太田達也)

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