天城峠道路 月ケ瀬~茅野 国交省1億円計上へ 23年度予算

 国土交通省は30日までに、伊豆縦貫自動車道を構成する天城峠道路の月ケ瀬~茅野(いずれも伊豆市)5・7キロ区間の新規整備のため、2023年度予算に国直轄事業費1億円を計上する方針を固めた。初年度は用地測量や構造物の設計を進めるとみられる。関係者への取材で分かった。

天城峠道路 月ケ瀬~茅野
天城峠道路 月ケ瀬~茅野

 天城峠道路は天城峠を越える伊豆市から河津町までの約20キロで、新規事業化区間はこのうちの北側に当たる。全体事業費は約900億円、計画交通量は1日約9100台。
 国交省が同日公表した新規事業採択時評価結果では、新規事業化区間を含む伊豆縦貫道一体で総便益が1兆314億円となり、総費用の8223億円を上回った。災害発生時に信頼性の高い道路ネットワークの確保、救急搬送時間の短縮、伊豆地域の観光振興支援といった効果も見込め、「妥当」と判断した。
 未着手だった天城峠道路を巡っては、県や東部・伊豆の市町が23年度の新規事業化を国交省に要望していた。地元が期待する伊豆縦貫道の全線開通へ前進する一方、南側の区間は調査が続き、トンネル工事で発生する建設残土の処分方法などの検討課題も残る。

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