高齢者の移動 地域で応援 「お助け隊」が一緒に買い物、通院 西伊豆町

 外出が難しい高齢者の買い物や通院などの移動を支援する住民主体の取り組みがこのほど、西伊豆町の山間地で始まった。町の高齢化率は51・8%(2022年4月時点)と県内最高。地域の力で高齢者の移動手段を確保し、住み続けられる環境の整備を目指す。

高齢者の買い物を手伝うボランティア(左)=西伊豆町
高齢者の買い物を手伝うボランティア(左)=西伊豆町


 町社会福祉協議会が「せいかつ応援倶楽部」と銘打ち始動した事業。講習を受けた生活支援ボランティア「お助け隊」が、買い物や通院などの移動支援のほか、電球の交換や掃除を行う。
 2月中旬、同町大沢里地区のボランティアが、80~90代の女性3人を自家用車でスーパーに送迎した。店内まで連れ添い、買い物を手伝った。山本晴子さん(92)は「いつも日用品は家族に届けてもらうので、買い物は数年ぶり。品を選べて楽しいし、また来たい」と笑顔を見せた。ボランティアの藤井秀明さん(66)は「近くには店もなくお年寄りが出かけることは少ない。外出によって会話も生まれた」と話した。
 同町ではこれまで、町や町社協が移動支援の実証実験やボランティア養成を実施。地域のニーズに合わせた事業展開の準備を進めてきた。町社協は同地区を皮切りに、各地区の高齢者支援のニーズを把握した上で、事業の定着や拡大を目指す。
 (松崎支局・太田達也)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞