水泳授業、市営プールで 施設老朽化、維持費削減 袋井市の4小学校で来年度から

 老朽化に伴う学校施設の維持管理費の負担が全国的に課題となる中、袋井市教育委員会は来年度から、小学校の水泳授業を学校プールから市営プールに移行する。三川、高南、浅羽北、浅羽南の4校で調整が進められている。コスト削減に加え、民間人材を活用することで児童の泳力向上や教員の負担軽減にもつなげる。

試験的に行われた市営プールでの水泳の授業で、児童を指導する民間のインストラクター(中央奥)=昨年6月、袋井市内
試験的に行われた市営プールでの水泳の授業で、児童を指導する民間のインストラクター(中央奥)=昨年6月、袋井市内


 同市の公共施設「月見の里学遊館」のプールで昨年6月、一般の利用客に混じって三川小の5、6年生を対象とした水泳の授業が試行的に行われた。インストラクターが授業を支援し、児童はより専門的な指導を受けられた。6年生の担任の三坂悠太教諭は「環境面だけでなく、教える側も指導方法についてアドバイスをもらえるのは大きい」と利点を指摘する。
 市教委によると、プールが設置されている小学校12校のうち、7校で設備が劣化し始めるとされる築30年を経過。建て替えても建設費や、維持管理費などがかさむ。市営プールに切り替えた場合、1校当たり年間250万円程度の費用を抑えられるという。本年度は三川、袋井西、浅羽北の3小学校で試行した。1月に基本方針を市議会民生文教委員会に提出し、4月の授業から移行する予定。
 同様に水泳の授業を学校のプールから公営や民間の施設に移行する自治体は増加傾向という。市教委教育企画課の担当者は「全国的にプールの老朽化が進み、施設のあり方を検討する時期に来ているのでは」と分析する。
 同市では校舎や体育館の老朽化も課題になっている。今後20年間で改修時期が集中することを踏まえ、計画的に学校施設の長寿命化を図る。鈴木一吉教育長は「子どもの教育環境を整えることが第一。さまざまな方策の中から最も効率的な方法で継続して取り組んでいく」と強調する。

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