中高級価格帯のピアノ堅調 中国規制緩和でさらなる受注増に期待 ヤマハ、河合楽器

 コロナ禍の巣ごもり需要でここ数年、ピアノ販売が拡大した。中でも、最近は中高級価格帯の製品の売れ行きが堅調だ。ヤマハはアップライトピアノが中国で、グランドピアノが国内で伸び、河合楽器製作所は100万円前後のアップライト「Kシリーズ」がけん引する。

堅調な売れ行きを見せている中高級価格帯のピアノ=6日、浜松市中区のヤマハ本社
堅調な売れ行きを見せている中高級価格帯のピアノ=6日、浜松市中区のヤマハ本社

 中国市場で販売を伸ばしているヤマハ。売上高は2015年3月期の157億円に対し、22年3月期は前年比7%増の294億円に伸長した。中高級価格帯製品を生産する掛川工場では、中国向けの輸出台数が「10年前の約3倍」という。ロックダウン(都市封鎖)後の規制緩和で、さらなる受注を見込む。
 国内は約360万円のグランドピアノ「C3Xエスプレシーボ」が音楽教室講師や専門家に好評だ。北米では自動演奏ピアノの需要増が著しい。楽器事業本部ピアノ事業部ピアノマーケティング&セールスグループの担当者は「価格が多少高くても、音質の良いピアノを求める人が増えている。現代の技術を使いながら、演奏者が求める音の表現力を追究したい」と話す。
 一方、河合楽器製作所はKシリーズやグランドピアノが前年比約10%増と好調を維持する。最上位機種「シゲルカワイ」は前年、過去最高の販売台数を記録した。今期は中国など海外で落ち込みが見られるが、国内が需要旺盛で、全体としては前年並みの台数を見込む。

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