⚽伊藤が挽回へ「このまま終われない」 W杯カタール大会

 【ドーハ=静岡新聞社特派員・市川淳一朗】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会を戦う日本代表は1日午後10時(日本時間2日午前4時)から、スペインとの1次リーグ最終戦に臨む。11月27日のコスタリカとの第2戦で初出場したものの不完全燃焼に終わった伊藤洋輝(シュツットガルト、浜松市出身、ジュビロ磐田ユース出)は、静かに名誉挽回の時を待つ。

スペイン戦に向け調整する伊藤(右)ら=11月30日、ドーハ(共同)
スペイン戦に向け調整する伊藤(右)ら=11月30日、ドーハ(共同)

 スペイン戦を翌日に控えた30日の練習後。取材エリアに現れた伊藤の口ぶりは淡々としていたが、発する言葉には力が宿っていた。「物足りないパフォーマンスだったことは自覚している。このまま終われない」
 コスタリカ戦は後半頭からピッチに立ち、3バックの左に入った。ボールを受ける機会は多かったが、効果的なパスは少なく、消極的なプレーと映った人たちから厳しい指摘がSNS(交流サイト)などに寄せられた。
 批判されていることは分かっている。誰よりも歯がゆく感じているのは伊藤自身だ。夢舞台での45分間のプレーで、心に刻まれたのは「悔しさだけ」。それでも、苦い経験を糧に立ち上がってきた川島永嗣(ストラスブール)らチーム内のベテラン選手の存在が自らを奮い立たせる。
 スペインはボールを保持し、パスを連ねて攻め込むのを得意とする。狙いは前掛かりになった相手の最終ライン背後のスペース。伊藤が特長とする左足からの正確なキックは局面を打開する一手になり得る。「(味方の)前線にはスピードのある選手がそろっている。狙っていく回数を増やしていければ」とイメージする。
 「結果が全て。スペインに勝って、決勝トーナメントに行く」。まなざしは真っすぐに前を見据えていた。

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