裾野スプリンクラー被害 市長「原因究明を加速」 調査委立ち上げ

 裾野市民文化センターで9月下旬、舞台上のスプリンクラーが突然作動した浸水被害で、村田悠市長は27日、市役所で記者会見を開き、事故調査委員会を立ち上げると発表した。村田市長は「(スプリンクラーの)設置や管理に瑕疵(かし)があったと認められなければ、公金を拠出して補償することはできない。原因究明を加速させる」と話した。

スプリンクラーによる浸水被害について説明する裾野市の村田悠市長=27日午前、市役所
スプリンクラーによる浸水被害について説明する裾野市の村田悠市長=27日午前、市役所

 市によると、委託業者による定期点検と作動後の調査では、装置に故障や異常は確認されなかった。調査委は大学教授や別の業者ら3~5人で構成し、第三者の専門的な視点で不具合の有無を改めて検証する。調査委の結果がまとまる時期は「未定」としたが、本年度内に数回の会合を開く。市の代理人には御宿哲也弁護士を指定した。
 調査結果で装置に問題がなかったと示された場合、誰かが故意に作動させた可能性が出てくるため、市は裾野署に被害届の提出を検討する。
 スプリンクラーは管弦楽団「シンフォニエッタ静岡」(焼津市)の公演前に作動した。楽団によると楽器やケース、楽譜などが水をかぶり、関係者5人が重軽傷を負った。施設側は音響機器や照明、コンサートピアノなどが被害を受けた。
 同センターは指定管理者制度による公設民営施設。楽団は「裾野市は設置者としての責任を認め、早急に補償を開始することを求めたい」と主張する。ただ、原因によって賠償責任の所在や割合は異なるため、市はまず調査を優先する方針。

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