熱海土石流 残存盛り土の一部から鉛検出 水質に異常なし

 静岡県熱海土木事務所は21日、熱海市伊豆山の大規模土石流の起点周辺に残る不安定土砂の一部から、土壌汚染の基準値を超える鉛が検出されたことを明らかにした。水質に異常はなかった。県は不安定土砂を撤去する行政代執行に着手していて、汚染土壌は県外の処理施設で処分するとしている。
 県によると、鉛は崩落部分の南西側の1カ所で、1リットル当たり0・029ミリグラム(基準値0・01ミリグラム以下)が検出された。周辺の土砂からはこれまでに基準値を超えるフッ素が検出されている。
 県は11月以降に土砂搬出用の道路を2本造る。来年5月ごろまでに約2万立方メートルを撤去し、大型土のうに入れて熱海港に仮置きする。土砂の撤去、運搬に約4億円、汚染土壌の処分に最大10億円を要するとみられ、県は土地の前所有者である不動産管理会社「新幹線ビルディング」(神奈川県小田原市)に請求する方針。
 県は今月26~28日、不安定土砂の撤去に関する住民説明会を開く。

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