磐田市豊岡地区で復旧作業本格化 山間部情報薄く、河川の倒木撤去難航 住民「次の大雨」に不安募る

 豪雨の影響で河川氾濫や土砂崩れが相次いだ磐田市豊岡地区は30日までに、復旧作業が本格化し、敷地川で川の流れをせき止めていた流木が撤去された。ただ、山間部では流木や倒木が残ったままの河川が依然多い。再び大雨が降れば、水位が上昇して一気にあふれ出す恐れもあり、近隣住民から不安の声が上がる。

流木が堆積する上野部川支流雨垂川=30日午後、磐田市上野部
流木が堆積する上野部川支流雨垂川=30日午後、磐田市上野部

 流木が堆積し、越水した上野部川の支流雨垂川(うたりがわ)では、重機での撤去作業が進む。自宅前の堤防が決壊した無職川合茂夫さん(75)は「来週にも応急措置として決壊部分に土のうを積んでもらえる。ただ、雨は短時間で大量に降る。これまでと同じ措置では不安だ」と話す。
 市内は台風15号の際、上野部川や敷地川などで流木が橋に集積してせき止められた水が堤防を越えて、周辺の家屋などが浸水する被害が相次いだ。川の脇の道路が決壊し、越水した上野部川近くに住む40代男性は「大雨が降る度に道が壊れ、応急措置を重ねてきた。これを機に山や林道も整備してほしい」と訴える。
 市道路河川課の担当者は「人家があるところなど、生活や交通に直接影響のある場所を優先して作業を進めているが、山間部は平地に比べて情報が集まっていないのが現状。県や地元の建設業者と連携して撤去を進めていきたい」と話す。

 

あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞