清水東高生 給水マップ公開 親友被災「一刻も早く」 台風15号豪雨災害

 静岡市清水区で台風被害による断水が長期化していることを受けて、清水東高理数科3年の野田優生さん(18)=富士宮市大岩=が、官民が設置した給水所やシャワー・トイレなどの支援スポット80カ所以上をインターネット上の地図に落とし公開している。親友の被災で「自分にも何かできることがないか」と始めた。

給水所やシャワー、トイレなどの位置を示した手製の地図を示す清水東高3年の野田さん=静岡市清水区
給水所やシャワー、トイレなどの位置を示した手製の地図を示す清水東高3年の野田さん=静岡市清水区

 部長を務めた自然科学部地学班の短文投稿サイト「ツイッター」上で地図を公開したのは25日午前。企業や団体などからも多くの掲載依頼が届いている。静岡市がホームページ上で発表した給水所案内は文字だけだった。野田さんは「もっと分かりやすいものができないか」と作成を始め、1時間で完成した。
 間違いがあり被災者を誤誘導するリスクを考え、当初は公開をちゅうちょ。ただ「被災者に一刻も早く情報を届けたい」との思いから公開した。背中を押したのは同じクラスで新聞部の部長を務めた親友の存在だった。
 「彼の自宅が床上浸水で被災しているのに自分だけ勉強していいのか」―。清水東高は断水のため休校となったが勉強が手に付かず、野田さんはいてもたってもいられなくなったという。
 ツイッターのフォロワー数は伸び、現在は清水東高のホームページでも公開している。
 宇宙飛行士を目指している野田さん。「給水所がいまだ多くある地図を見てもらうことで、県外の人にも一目で清水が本格復興していないことが分かる」と地図作製の意義を述べた。
 (清水支局・坂本昌信)

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