介護現場の臭い軽減 非接触型「おむつごみ箱」開発 サンリッチ三島【静岡ものづくり最前線】

 介護現場で欠かせないおむつ交換。1人につき1日10回を超すケースもある。おむつの処理で発生する臭いを抑えて施設内の快適な環境を維持するとともに、介護従事者の負担と不快感を軽減しようと開発した。

交換したおむつを一定量ためるごみ箱。消臭機能が付き、運搬性にも優れる
交換したおむつを一定量ためるごみ箱。消臭機能が付き、運搬性にも優れる

 縦40センチ、横58センチ、高さ72センチのキャスター付き移動箱。ベッドで交換したおむつを一定量ため、処分場まで運ぶのに利用する。
 主力材には消臭機能の付いた合板を使用。収容量が一目で分かるよう上部の一部に透明素材を使い、ごみ袋を広げるフックや袋の落下を防ぐ金具を取り付けるなど、利便性を考慮して細部にまでこだわった。ふたはセンサーによる非接触型の自動開閉とし、感染症防止対策にもつなげる。
 運営施設ではこれまで交換したおむつを個別にポリ袋に入れて廃棄していたが、特殊紙に包む方式に変えた。KJ特殊紙(富士市)の悪臭物質を吸着除去する天然物由来のシートで、ファルマバレーセンターの仲介で導入。おむつごみ箱と併用すれば、臭いは激減するという。
 福家英也社長(66)は「働きやすく、利用者も快適に過ごせる施設にするのは事業者の責務」と話す。現在はグループ3施設で導入しているが、他施設への普及を図るという。

 企業情報 三島市川原ケ谷264の2。介護付き老人ホームを運営する。1993年開設。従業員91人。

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