新たな観光資源探る 下田市観光協会 沢地大吉会長【キーパーソン】

 観光業が基幹産業の下田市。伊豆半島の周辺市町と同様、新型コロナウイルス禍のあおりを受ける中、現状の分析と今後の展望を聞いた。

沢地大吉会長
沢地大吉会長

 -コロナ禍以後を振り返って。
 「もろ手を挙げて『下田に来てください』と言えず、心苦しい限りだ。行政の支援で何とか踏みとどまっているというのが現状。ただ今夏について言えば、宿泊施設に関してはキャンセルはあるものの、その分も埋まったとのことだ。観光ムードの回復の兆しだと好意的に受け止めたい。県外来訪者からも、観光を心待ちにしていたという声を多く聞く」
 -下田の観光の魅力とは。
 「海の美しさが国内トップクラスであることは間違いない。海辺を含め、自然の美しさをいま一度確認し、連携して海の保全にも力を入れたい。特産品については、地元で『アカイカ』と称されるケンサキイカのPRを実施したが、他にも冬のブダイなど知られざる名物がある。地道にキンメダイに続く名物を探りたい。安定的な提供店舗が確立できれば漁業の活性化にもつながる」
 -下田の課題と展望は。
 「少子高齢化は喫緊の課題だ。観光業界が美しい自然をPRすることは、首都圏からの移住やUターン希望者への訴求になり得る。毎夏の『あじさい祭』についても、国内有数の植栽数だけでなく、花と海、町並みが一体となった風景の活用など、まだ魅力は掘り起こせると捉えている」

 さわち・だいきち 2021年就任。焼き肉店「焼家」の社長で、下田料理飲食組合の組合長も歴任した。73歳。

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