浜岡原発廃炉訴訟 原告「活断層」指摘 中電側が反論

 静岡県内の弁護士や住民が中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の廃炉などを求めた訴訟の第50回口頭弁論が19日、静岡地裁(菊池絵理裁判長)であり、中電側は、原告側が2017年に原発敷地内に活断層が存在すると指摘した点について反論する準備書面を提出した。
 原告側は17年6月の準備書面で、原発敷地内の地盤には南北に伸びている「A―17」断層があり、活断層であるなどと主張した。
 中電側は新たな準備書面で「地表付近に変位を生じさせる断層として評価していない」「詳細な調査を行い、南北走向の逆断層が将来変位を生ずる恐れがないものだと確認した」とし、原告側に反論した。また、東西の正断層「H断層系」を「敷地内で最後に活動した断層と考えられるため、敷地内の断層の活動性評価の代表となる」と述べた。
 一方、原告側は「5年も待たせたあげく、従来の主張の繰り返し。具体的な反論ではない」と批判した。
 反論するまでに約5年間を費やしたことについて、中電側は記者会見で「現地の確認と分析を地道にやってきた」などと釈明した。

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