エビ 陸上養殖施設が完成 関電子会社、磐田に本社移転

 関西電力子会社の海幸ゆきのや(秋田亮社長)が磐田市小中瀬に建設していたエビの陸上養殖施設が完成し、竣工(しゅんこう)式が4日行われた。完成に合わせて本社を大阪市から磐田市に移転。大消費地へのアクセスが良い立地を生かし、業務用を中心に販路開拓に本腰を入れる。

陸上でエビを養殖するプールを備えた新施設=4日午後、磐田市小中瀬
陸上でエビを養殖するプールを備えた新施設=4日午後、磐田市小中瀬

 年間80トンのバナメイエビ生産を目指す。今月中に稚エビを仕入れて養殖を開始する。施設には長さ40メートル、幅12メートルの養殖プール6レーンを整備。天竜川や遠州灘の地下水を循環・ろ過して再利用する。最新のデジタル技術を活用して安定的、効率的な生産につなげる。地元で数十人規模の雇用を計画している。
 同社によると、生産するエビはクルマエビに匹敵するうま味があるとされ、「幸(ゆき)えび」のブランド名で販売する。瞬間凍結して出荷するため、解凍すれば生食も可能という。
 エビは国内流通量の約95%を輸入に頼っている。同社は高付加価値の国産エビとして、関東、東海、関西圏の食品加工会社や飲食店への販路確保を目指すほか、EC(電子商取引)サイトなどを活用して一般消費者にも売り込む。
 竣工式で秋田社長は「食領域の新参者だからこそ、生産、流通、販売などあらゆる場面で新しいチャレンジに取り組む。磐田市を代表し、地域から信頼される企業になるよう努力していく」と意欲を示した。

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