お中元、今年で最後に 失礼のない伝え方は?【NEXT特捜隊】
磐田市の介護職の女性(75)から相談が寄せられた。お中元やお歳暮を慣例として贈り続けてきたが、準備が負担になってきたという。作法・着付け教室「真美文化学院」学院長でSBS学苑講師の田辺まなみさん(74)=三島市=に解説を求めた。【記事の最後に例文があります】
感謝の気持ち込めて
一般的には、中元は7月1~15日ごろのお盆までに届くようにします。8月盆の地域には8月15日ごろまででも構いません。歳暮は12月初旬~25日ごろまでに届くように贈ります。お世話になった方へ感謝の気持ちを込めた贈り物で、基本的には双方の関係が変わらない限り贈り続けるのが習わしとされています。お世話になったお礼として1回だけ贈りたい場合は「御礼」などとしましょう。
さまざまな事情で贈るのをやめたい時のあいさつ状のポイントは①これまでのお礼を述べる②相手の近況を伺う③やめる理由を伝える一言を添える④今後も変わらぬお付き合いをお願いする―という4点です。
高齢や節目を理由に
やめる理由は、高齢や体の不調ならば「高齢となり膝を痛め、何事も大儀となってしまいました」などとします。その他、転勤や出産など、何らかの節目であることを伝えるのも良いでしょう。特産物を贈っていた場合は「農家の方が作ったお薦めの品でしたが、そのお宅も高齢となり生産をやめられました」など、生産者の環境変化も一例となります。
「これを機に、季節のご挨拶を皆様にご辞退致しております。尚、お付き合いはこれまでと変わらずお願い申し上げます」など、他の人にも贈るのをやめることを伝える一文を添えるのも一案です。
できれば、あいさつ状ではなく電話や対面の方が、声や表情で思いをより柔らかくお伝えできるのでお勧めです。
これらのポイントは中元、歳暮を受け取るのをやめたい時にも活用できます。やめる理由を「高齢ゆえ筆無精となりました」などとすれば、年賀状のやりとりをやめたい時にも有効です。
あいさつ状の例文(取材を元に作成)