森林法適用 議論尽くされず 熱海土石流、静岡県検証委議事録

 熱海市伊豆山の大規模土石流を巡り静岡県が設置した行政対応検証委員会(委員長・青島伸雄弁護士)で、森林法を適用し逢初(あいぞめ)川源頭部の開発行為を規制しなかったことに対する議論が十分尽くされないまま最終報告がまとめられたことが9日、分かった。県が同法を適用していれば開発行為に強い規制がかけられたとみられるが、適用しなかった判断の妥当性は吟味されないままだった。県が同日、議事録を公表した。
 開発面積が1ヘクタールを超えれば、同法に基づく林地開発許可の対象になり、県が可否を判断する。1ヘクタール未満は、県土採取等規制条例に基づき市町に届け出る。伊豆山の土石流では、神奈川県小田原市の不動産管理会社が1ヘクタールをわずかに下回る面積で、開発を熱海市に申請した。
 今年2月に開催された検証委の第2回会合で、同市の金井慎一郎副市長は、業者は届け出後、明らかに1ヘクタールを超えて開発していたとし「初めから1ヘクタールと認定して(県が)対応しなければいけなかった」と指摘した。難波喬司副知事(当時)は市の主張に一部理解を示しつつも「見解の相違がある。しっかり整理しなければいけない」と答えた。
 ところが、市の検証作業が遅れたこともあって、その後、このテーマはほとんど扱われなかった。5月13日に公表された最終報告は「土地改変面積が1ヘクタールを超えるとみなすことも可能だった」とあいまいな記載にとどまった。
 最終報告に対し同市は「県所管の法令の検証が不十分」と批判した。9日の取材に県理事の難波氏は「県の対応が甘かった部分はあるが、市の行政手続きを重点的に検証すると委員が判断した結果だと受け止めている」と述べた。
 

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