ペットと人の共生 実現を いなば食品が静岡でシンポ

 「ペットと人の共生社会の実現」をテーマにしたシンポジウムがこのほど、静岡市清水区の清水テルサで開かれた。趣味で繁殖をしている「ホビーブリーダー」の愛犬家が、登録なしで年間に繁殖できる匹数が先進国の中で最も少ない現状などについて、法改正の必要性などを話し合った。地元でペットフード製造を手掛けるいなば食品(稲葉敦央社長)が主催した。

人とペットの関係性の在り方について話す一般社団法人ペットフード協会の石山副会長=静岡市清水区の清水テルサ
人とペットの関係性の在り方について話す一般社団法人ペットフード協会の石山副会長=静岡市清水区の清水テルサ

 動物虐待防止の観点などから2019年に成立し、今月施行した改正動物愛護法では、ペット店で販売される犬猫へのマイクロチップ装着が繁殖・販売業者に義務づけられた。一方、一般社団法人ペットフード協会によると、日本のホビーブリーダーの年間繁殖匹数は欧米の十数分の1程度しか現状許されておらず、国のペット政策への科学的検証を求める声もあるという。
 登壇したペットフード協会の石山恒副会長は、国内のイヌの飼育匹数は40年には380万匹で、05年の1300万匹から7割減となる将来予想を紹介した。その上で「人間と犬猫の関係の在り方を問い直す必要はないか。ペットは人間の健康寿命を延ばすという指摘もある。慎重な対応が必要だ」と述べた。

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