「退職は職場のいじめ原因」元伊東市職員 市を提訴 静岡地裁

 伊東市役所を退職せざるを得なかったのは職場のいじめが原因だとして、20代の元職員が31日までに、市と上司、先輩職員2人を相手取り、慰謝料など440万円の損害賠償を求める訴えを静岡地裁に起こした。

静岡地裁
静岡地裁

 訴状によると、元職員の男性は2018年4月に伊東市に採用された。19年1月に自殺未遂を起こし、混合性不安抑うつ障害と診断され、以降は出勤できない状態が続いたとしている。20年4月に公務災害認定を受け、同6月に退職した。
 元職員側は、配属された課で、直後から先輩職員の1人に日常的に暴行されたり、たばこの火を手に押しつけられたりしたと主張。上司だった課長は止めるどころかいじめに加担し、激辛焼きそばを食べるよう強要したり、からかったりしたため、適応障害を発症するに至ったと訴えている。19年10月に先輩職員は戒告の懲戒処分を、課長は厳重注意処分を受けたという。
 また、別の先輩職員がいじめを目撃しながら言葉の暴力を振るい、精神的に追い込んだと指摘。上司、先輩職員による一連の行為によって「職場内では誰からも助けてもらえないという状況下に置かれ、自殺未遂を起こすまで精神的に追い詰められた」と強調した。
 伊東市は取材に「対応を検討中」とコメントした。

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