メガソーラー抑止へゴルフ場取得 富士市、市議に必要性強調

 富士市は31日、同市大淵で営業中の南富士カントリークラブゴルフ場の敷地約38ヘクタールを3億1500万円で取得する方針を市議会産業教育委員会協議会で説明した。委員からは取得の必要性を問う質問があった。

南富士カントリークラブ
南富士カントリークラブ

 取得を予定するのは同ゴルフ場約54・5ヘクタールの4分の3に相当する。市議会9月定例会に補正予算案を提出し、11月定例会で契約案の議決後に本契約を結ぶ。ゴルフ場は2024年途中まで営業し、同年9月までに土地が市に譲渡される予定も示された。
 市は取得用地のうち約16ヘクタールを自然の復元ゾーン、約22ヘクタールを自然との共生ゾーンとするビジョンを説明。共生ゾーンは民間による活用を想定し、管理者の誘致を目指す方向性を示した。
 市担当者は、数年前から同ゴルフ場を大規模太陽光発電所(メガソーラー)に転用したいとの問い合わせが複数あったことなどの経緯を説明した。重度開発を規制する市富士・愛鷹山麓地域森林機能保全条例は、開発済みの土地は適用外でメガソーラーなどへの転用を中止する強制力はなく、国や県にも抑止できる法令がないなどとした。「富士山麓の環境や景観保全の観点で望ましくない」と取得の必要性を強調した。
 ゴルフ場の残る約15ヘクタールは富士環境保全公社が第3期最終処分場候補地として取得する方針を決めている。

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