富士山麓に音楽充満 FUJI&SUN’22 29組熱演

おはやしでお祭りムードを高めた吉原祇園太鼓セッションズ
おはやしでお祭りムードを高めた吉原祇園太鼓セッションズ
ボーカリストのマヒトゥ・ザ・ピーポーの叫び声が富士山麓に響いたGEZAN=15日
ボーカリストのマヒトゥ・ザ・ピーポーの叫び声が富士山麓に響いたGEZAN=15日
霧に包まれたステージで圧巻の演奏を聴かせたサックス奏者の渡辺貞夫
霧に包まれたステージで圧巻の演奏を聴かせたサックス奏者の渡辺貞夫
雨の中、軽妙なトークを交えて演奏を進めた奥田民生(c)FUJI&SUN’22
雨の中、軽妙なトークを交えて演奏を進めた奥田民生(c)FUJI&SUN’22
おはやしでお祭りムードを高めた吉原祇園太鼓セッションズ
ボーカリストのマヒトゥ・ザ・ピーポーの叫び声が富士山麓に響いたGEZAN=15日
霧に包まれたステージで圧巻の演奏を聴かせたサックス奏者の渡辺貞夫
雨の中、軽妙なトークを交えて演奏を進めた奥田民生(c)FUJI&SUN’22

 富士市の富士山こどもの国で14、15の両日、野外フェスティバル「FUJI&SUN(フジ・アンド・サン)’22」が開かれた。曇り空の隙間から時折富士山が顔を見せる、おおむね穏やかな天候の下、3ステージで29組が演奏を繰り広げ、延べ約4500人を楽しませた。最終アクトではいきなりの土砂降り。参加者にフェスの記憶を強く刻みつけた。
 初日の昼下がり、中ステージに地元富士市の「吉原祇園太鼓セッションズ」が登場。太鼓と横笛によるおはやし、「ソーレ」の合いの手にドラムスやサックスが加わり、お祭りムードを高めた。
 続く「OLAibi(オライビ)×U-zhaan(ユザーン)+大友良英」は、インドの打楽器タブラにエレキギター、言語の壁を超えた歌の競演。即興の妙が、観客の高揚感をあおった。
 大ステージには人気バンド「フジファブリック」。雲の切れ間から太陽の光が差し込む中、人気曲「若者のすべて」を披露。堀込高樹のソロプロジェクト「KIRINJI」は、近作が中心のセットリストだった。
 暗闇と深い霧が富士山麓を包む時間にサックス奏者渡辺貞夫が登場すると、観客から大きな歓声が上がった。客席後方でミラーボールが回転する中、渡辺はご機嫌にスイング。ジョン・レノンの「イマジン」をたっぷりと吹き上げた。しっとりとぬれた草場にやさしい音色がしみ込んだ。
      ♪
 2日目の中ステージは、柔らかい女声が連続した。4人組「んoon(フーン)」は、緩やかなヒップホップソウルとも言うべきサウンドを展開。ハープや鍵盤ハーモニカの旋律がループする中、JCの歌声が心地よく響いた。
 チェロ、バリトンサックスを含む4人編成を従えた角銅真実は、隙間の多いアンサンブルに澄んだ歌声で色を加えていった。
 観覧スペース後方までぎっしりの客を集めた夫婦デュオ「ハンバート ハンバート」は、佐野遊穂の繊細なビブラートが際立った。「さよなら人類」などのカバー曲も披露し、客席を沸かせた。
 大ステージは男性アーティストが中心だった。3本のギターが有機的に絡んだ「踊ってばかりの国」、テンションの高いギターサウンドで暴れ回った「GEZAN」、3MCの掛け合いの楽しさを提示したラップグループ「スチャダラパー」に続き、最後に登場したのは奥田民生だった。
 アコースティックギター1本の弾き語り。1曲目から雨が降り出し、やがてステージ屋根を打つ音がはっきり聞こえるほどの本降りに。「大丈夫? 無理しないで」。奥田は観客を気遣いながらも強いコードストロークで代表曲を熱唱した。「イージュー★ライダー」「さすらい」、アンコールの「風は西から」まで一気に聴かせた。
 2日間を通じて、検温、参加者全員の個人情報登録など、感染症対策を万全に施した。
 (文化生活部・遠藤竜哉、橋爪充)

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