敗戦で「目覚めた」
堅実に守り、少ない好機をものにする―。県大会予選の上位決定戦で浜松商に敗れたことで、原点に立ち返ることができた。大石卓哉監督は「春のスタートはどうなるのかなと(不安に)思うくらい結果が出ず、大会も苦しい状況の中、浜商さんの堅い守備とキチッとやる野球を見て目覚めさせてもらった。この連戦を勝てたのは、選手の自信になると思います」とうなずく。
スタメンに下級生5人
2024年夏の甲子園を経験したメンバーが残っていた昨夏までのように、タレントが豊富なわけではない。秋は出番がなかった2年の右腕、加藤元気投手をはじめ一塁、遊撃、左翼、右翼の五つのポジションで下級生を起用し、競争意識を刺激しながらチーム力を伸ばしている。大石監督は「この2試合(1、2回戦)でいいところも悪いところも出て成長を感じました。打線も苦戦したけれど、積極的に振りにいけたのは良かった。1回戦は荒れていた加藤も、2回戦は谷口(篤郎捕手)のリードに収まっていましたね」と及第点を付けた。
2年生右腕の台頭
この春、コンディション不良のエース古岡都暉投手に代わって背番号1を付けるのが加藤投手。新居中軟式野球部出身で、中学時代は公式戦未勝利。183センチ72キロとまだ細身だが、長身から繰り出す最速141キロ(3月の練習試合で計測)の直球と、ブレーキの利いたカーブとのコンビネーションで打ち取る。「打者に向かっていく気持ちが自分の長所。でもそれが短所でもあって、1回戦では気持ちが入り過ぎてしまった。2回戦は落ち着いて投げられました」
中学軟式出身、公式戦初完投
桐陽との1回戦は6回を投げて4安打3失点。松本哲治投手、古岡投手の救援を受けた。連投となった藤枝明誠戦は113球を投げて3安打1失点で公式戦初完投。度々ピンチを背負いながらも要所を締め、マウンド度胸の良さも印象付けた。「投げ切れたのは自信になります」と加藤投手。
3年生、巻き返しへ
昨秋県準優勝の立役者で今大会は控えにまわる古岡投手や、下級生にポジションを譲った3年生野手も黙ってはいないだろう。指揮官は「先輩たちも負けていられない、とお互いに相乗効果が出る」と期待する。加藤投手が「(落ち着いて投げられたのは)キャッチャー(谷口)の声かけ、リードのおかげ」と感謝するように、下級生の躍動を支えるのはやはり3年生。

2回戦は初回、先頭の重松聖人選手の二塁打を足掛かりに先制点を挙げるなど、要所で上級生の存在感が光った。

重松選手は「自分の長所は積極性。予選は結果を出そうとして慎重になり過ぎたところがあった。(浜松商に)負けてから意識を変えて、もう一度、一からというつもりでやってきた。夏に向けて1試合でも多く経験できるようにしたいです」と意欲を口にする。3回戦(4月25日)の相手は浜松商。雪辱を懸けた一戦になる。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)
【取材後記】
掛川西のスタメンに、9番遊撃で名を連ねた高村蒼太内野手は1年生。常葉菊川(現常葉大菊川)監督として2007年春の選抜優勝、御殿場西でも監督を務めた故・森下知幸さんのお孫さんだそうです。大石監督は、入学間もない1年生を先発に抜てきした理由について「練習と野球に向き合う姿勢がいいんです。チームの内野守備にエラーが増え、リズムに乗りきらないなと思っていたところだったので、思い切って入れてみました」と明かします。公式戦2試合目、練習試合も含めて3試合目のスタメン出場で、10度の守備機会にも「先輩たちが声をかけてくれたので、緊張はなかったです」と落ち着いていました。









































































