9年ぶり2度目の優勝を目指すヤマハは11月6日に西部ガスとの初戦を迎える。決勝まで勝ち上がれば7日間で5試合をこなす過密日程となるだけに、エース左腕佐藤廉投手(26)に加え、4年目の金原祥太投手(25)、新人の梅田健太郎投手(23)ら右のエースを争う2人が好調を維持しているのは心強い。
見たことのない球
申原直樹監督は、今夏の都市対抗大会準決勝で救援登板した金原投手の球に目を見張った。「見たことのない球を投げていて、ベンチで衝撃を受けたんですよ。え?何今のボール?と思わず九谷(青孝投手コーチ)の方を見たんです。その後(球場の)ガンを見たら(最速146㌔を更新する)147㌔とか149㌔が出ている。びっくりしましたね。そこからずっと好調が続いていますよ」
覚醒「予感はあった」
金原投手は「予感はしていました」と明かす。今季はスタートから順調だった。4月のJABA静岡大会、5月の東北大会と実績を積み、都市対抗東海地区2次予選は初戦を含む2試合で先発に抜てきされた。

「今年から特別、練習メニューを変えたということはなく、今までコツコツやってきていた細かい動きが試合でできるようになって、その感覚を忘れないように投げていたら今も続いている。体の中心に芯があるような、うまく体を動かせるなという感覚です」
「超遅咲き」を自認
岡山・倉敷商高3年時は、後にプロ野球・楽天入りした引地秀一郎投手(現ショウワコーポレーション)ら投手陣の争いに敗れ、内野手として試合に出場。東北福祉大では4年で初めてベンチ入り。初登板は4年秋だった。
「超遅咲き」を自認し、社会人4年目で見事に開花して見せた。
新しい試みも
内野手もこなすなど、もともと起用なタイプ。6月の都市対抗予選を終えた後、自らの判断でフォームを微調整した。右打者に外角球をより遠く見せ、左打者の内角を突くため、腕を少し下げてインステップにしたという。
「1年目もインステップだったけれど、体が弱くてうまく使いこなせなかったので、今ならできるかなと思ってやってみました」
貪欲に、新境地目指す
探究心旺盛で、打者を幻惑する投球術も会得中だ。昨季のJABA京都大会決勝で、ヤマハ打線は東芝の笹森公輔投手に苦戦した。
「野手から、笹森投手が足の上げ方を毎回変えているのが嫌だったと聞いたので、それも(自分に)取り入れてみました」
好調をそのままに、貪欲に新境地を切り開こうとしている。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)






































































