鉄道好き松下晴輝アナウンサーに聞いた鉄道旅の楽しみ方

行楽の季節ですね。今年の秋は、鉄道旅はいかがでしょうか。SBS静岡放送で鉄道好きアナウンサーとして知られる松下晴輝さんに鉄道旅の魅力を伺いました。

松下アナウンサーは何鉄?


鉄道好きと一口で言っても、乗り鉄、撮り鉄…と分野は豊富。好きなポイントが人によっていろいろなのは、それだけ鉄道が奥深い乗り物ということ。松下さんは、ご自身のことを「乗り鉄」「音鉄」「路線図鉄」と説明します。

「乗り鉄」は鉄道に乗るのが好きな人。「音鉄」は列車の音や、駅の発車メロディ、車内やホームのアナウンスなど音で楽しむ鉄道ファンを意味します。「路線図鉄」は路線図を見ながら「この駅とこの駅にあの路線があったら便利だな」と想像を膨らませる鉄道好きの人です。

受験、就職…。人生の節目に鉄道あり

今年の1月に鉄道旅で鉄道博物館(埼玉県さいたま市大宮区)を訪れた松下さん(松下さん提供)

松下さんに話を伺うと、受験、学生生活、就職活動と人生の節目に鉄道愛溢れるエピソードがたくさん出てきました。「大学受験生のとき、電車の中だったら勉強に集中できるのではと思い、何時間も電車に乗って参考書を読み込みました。発車メロディの音楽集を聞きながら勉強に励んだこともあります」。

大学では社会学を専攻。「ゼミの発表では駅弁の歴史をひもとき、日本全国の駅弁マップを作りました。駅弁は地域によって個性があり面白いですよ」。就職活動でも鉄道好きをアピールしました。

「アナウンサー試験ではスナップ写真を提出するのですが、鉄道好きを表現した写真を駅で撮影しました」。「鉄道は人々の生活に密着しているもの」と話す松下さん。「あの駅に降りると学生時代を思い出す」など、誰でも記憶をたどれば鉄道の思い出があるのではないでしょうか。

(松下さん提供)

-鉄道はいつから好きでしたか? 
幼稚園のときから好きで電車のおもちゃでよく遊んでいました。家の近くに電車が見えるビルが建っていて、子どもの頃はその場所から2時間位電車を眺めていたこともあります。

―鉄道旅を始めたのはいつからですか?
鉄道旅は大学生のときから始めました。青春18きっぷを使って15~16時間かけて青森県や山口県まで旅しました。知らない景色を見られるのが鉄道旅の魅力だと思います。

―埼玉県出身の松下さんですが、静岡市内の好きな鉄道風景を教えてください。
JR東海道線の興津駅から由比駅にかけて見える駿河湾と富士山、国道1号の車窓風景は「The静岡」という風景で好きです。静鉄電車では、柚木駅と長沼駅の間で見た水色の車両が富士山に向かって走る姿がかっこよくて好きです。

鉄道好きおすすめの鉄道旅の楽しみ方

鉄道好きの松下さんならではの鉄道旅の楽しみ方を紹介します。観光列車に乗らなくても十分楽しめます!

旅の行き先は鉄道で行ける所まで―。鉄道でどこまで行けるか楽しむ旅をするという松下さん。

松下さんにこの話を伺って、どこまで行けるか気になったシミ毎編集部。今号発行日の9月28日、清水駅発で降車駅を岡山駅とし、乗り換え案内を調べてみました(新幹線、有料特急は乗車条件から外して検索)。5時39分に清水駅を出発すると、岡山駅には14時39分に到着。移動時間は9時間。まだ明るい時間帯に到着するので、お尻が痛くならなければもっと遠くへ行けそうです。

乗り換えの詳細を見ると、愛知県の豊橋駅でJR東海道本線特別快速、滋賀県の米原駅でJR琵琶湖線新快速に乗り換えとなっていました。静岡県に住んでいると快速に乗る機会が少ないので、快速に乗るだけでも普段できない体験を楽しめますね。

目的地は自分の名前と同じ駅

松下さんはこの春、自分の名前と同じ駅に行くという鉄道旅を実行。

自分の名字と同じ松下駅に下車した松下さん(松下さん提供)

「学生のときに『松下』という名前の駅を知り、いつか行きたいと思っていました」。5月に三重県伊勢市のJR参宮線の松下駅に下車した松下さん。「十数年越しの思いだったので松下駅に降りたときは感慨深かったです」。

この旅の方法を伺いシミ毎編集部は、試しに静岡県で多い名字の一つ「山本」で駅名を調べてみました。すると二つの「山本」駅が出てきました。一つは、佐賀県唐津市にあるJR九州の山本駅。もう一つは兵庫県宝塚市を走る阪急電鉄宝塚本線の山本駅です。山本さん、旅行の候補地にどうでしょうか?

車両デザインの違いを楽しむ

長距離の鉄道旅の場合は、乗り換えがあるので、車両デザインの違いを楽しめます。外観はもちろん、中の仕様も車両によって異なります。例えば、座席配置の種類。「ロングシート」「クロスシート」という言葉を聞いたことがありますか。
ロングシートは進行方向に対して横向きに長椅子が伸びている座席。クロスシートは進行方向に直角に向いた席です。松下さんによると、椅子の座り心地も車両モデルによって違うそうです。

発車メロディに耳をすます

発車メロディは駅で列車の出発時に流れる音楽。鉄道会社ごとに特徴があります。その土地ならではのご当地メロディが流れる駅もあります。普段聞き流している発車メロディも意識すると「知っている曲だ」と発見があり、鉄道旅をより楽しいものにしてくれます。

※シミズ毎日2025年9月28日号掲載の記事を一部編集して掲載しています。

シミズ毎日は清水オリコミが発行する地域の身近な話題と暮らしに役立つ情報をお届けする情報紙です。

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