おかえり、ヤムケン!アルビレックス新潟から藤枝MYFCに再加入のFW矢村健「監督から帰ってきてほしいという言葉があった。ぶっ倒れるつもりで」


J2で15位と苦戦が続く藤枝MYFCに、うれしいニュースが飛び込みました。昨季、藤枝のエースとして16ゴールをたたき出す圧倒的な活躍を見せ、今季はJ1アルビレックス新潟でプレーしていた矢村健選手が完全移籍で藤枝に再加入。決定力不足という課題を抱えるチームの起爆剤となりうる大きな戦力が加わり、巻き返しへ士気が上がっています。

―藤枝でまたプレーしようと思った決め手は。
新潟でなかなかチャンスをつかみきれず、出場時間を得られなかったことがまず一つあって、その中で藤枝が声をかけてくれました。自分の中で今何が必要かを考えた時に、やはり試合に出て点を取りたいという思いが一番強かったです。それを(監督の)須藤さん、(強化部長の)大迫さんをはじめ、理解、評価してくれているクラブでプレーできることにうれしさがあります。

ただ、去年の結果は全く自分の中で(意識はない)。一からスタートしたいと思っているし、競争があると思うので、その中でしっかりとチャンスをつかんで試合に出て点を取りたいです。(決め手としては)その熱量や、自分が力を最大限発揮できるいうところを踏まえて考え、決断しました。

―須藤監督からは何かメッセージがあったか。
帰ってきてほしいという言葉がありました。見てくれている方の1人ですし、僕自身も尊敬している方。自分で最終的には判断しましたが、試合に出てというところが、僕にかけてくれた須藤監督の言葉ですし、僕も思っていたことなので、そこが一致した形になりました。

―サポーターも本当に期待していると思う。
去年は去年として、今年しっかりと結果を残す、試合に出る、けがをしないという、一つ一つの積み重ねだと思います。まずは今週、ホームで試合があるので、そこに向けて良い準備をしたいです。もっと細かく言えば明日の練習、今日の体のケアというのも(大切)。そのような部分で自分含め、選手一人一人にプラスになるよう働きかけることができればと思います。期待にしっかりと応えられるよう、ピッチで証明したいです。

―浅倉選手が今季7得点と成長を見せている。
試合もチェックしていました。去年に比べ、やはり入る回数やシュートを打つ回数、パワーすごくあると思います。それが試合で出ているからこそ結果を残せていると思うので、自分も負けずにゴールを取れるようにしたいです。お互いに切磋琢磨(せっさたくま)して、またゴール、アシストを積み上げていければと思います。

―コンディションは順調か。
6時間運転してきたので多少疲れはありますが、練習も一昨日までやっていたので(大丈夫)。ただ試合の出場時間が少なかったので、試合勘や長い時間というところでどうかなと。またサッカーも環境も変わるので、体との向き合い方やケアもしっかりやっていきたいです。

―今日の感想は。
きつかったです(笑)。暑かった。新潟は今は涼しくなっています。静岡はしばらくは暑いと思いますが、慣れてくると思います。あとはミーティングに出て、久々な感じでした。新しくやる選手たちにもあいさつしてコミュニケーションもしっかりとれたので、特に問題はないかなと。練習や試合でしゃべって、自分がどこにボールが欲しいとか、どのような動きが得意かといったところをしっかり伝えてゴール、勝利に結びつけたいです。

―愛媛戦に向けて。
藤枝に来たからにはしっかり狙いますし、ぶっ倒れるつもりで頑張ります。

―今季の藤枝の印象は。
ゴール前までボールを運ぶシーンなどは増えていると思いますが、もっとシュートを打っても良い場面もあったかと感じています。僕はどんどんシュートを打つタイプなので、良い方向に影響させられればと思います。

守備の部分では、簡単なところからの失点というのがあったりしたので、そこの逃げ道や困った時にどうするかというのは共有したいと思います。

―J1を初めて経験し、生まれた手応えと課題は。
開幕の方はスタートから何試合か出ることができ、そこでしっかり点を取ることができていたので、出れば取れるなという感覚もありました。逆にそこでシュートブロックに来るんだとか、ここまで寄せて来るんだということも感じました。

ただ、自分の中では次はこうしてみようという試行錯誤につながって成長できた部分もあります。あとは良い形で抜け出せた時もあったので、そこは通用する部分でもありました。出場時間が少なくなってきたので一概に何ができて何ができなかったというのはあまり把握しきることはできなかったのですが、練習の中でボールに関わる回数などはもっと増やさなければと感じました。

―藤枝の練習着を着ての気分は。
違和感があるなと思いました。ソネ(大曽根選手)に「俺この色着ていたっけ?」と言いました(笑)

―背番号は再び9に。
自分の中で9番が一番ストライカーだと思うのでうれしく思います。この背番号にあった結果を出したい。チームにどのような影響を与えるかも大事だと思うので、しっかり向き合いたいです。

須藤大輔監督「口説き文句?原稿用紙5枚ぐらい」


矢村選手の再加入に、須藤大輔監督も大きな期待を寄せています。求めているのはピッチ内外での取り組み。手本としてチームを引っ張り続ける存在になることを願っています。

―矢村選手に期待する部分は。
もちろん得点の部分。ただコンディションも加味しないといけないと思います。なかなか試合に出ていなかったので、試合勘はどうしても落ちている部分もありますが、ここで築いた彼の得点力に大いに期待したいという思いで獲得しました。

あと、チームが活性化します。守備の部分にしろ、自分たちがつらい時に彼のアクションによって、もう一度息を吹き返すだとか、守備のスイッチが入って連動するような迫力あるプレスが可能になると感じます。そこでもアピールしてもらいたい。そして、彼のコメントにもあったように、オン、オフ問わずチームが良い方向に向くような行動、発信ができる選手なので、そういった部分にも期待しています。

―愛媛戦でも出場の可能性が。
チャンスがあればいきたい。既存の選手との兼ね合いもありますが、われわれがやりたいサッカーに間違いなくフィットします。やり方も大きく変わっていないですし、土俵に上ってくるかなと思います。

―クラブとしてFWは補強ポイントだったか。
やはりこれだけストライカーのところでまとまった点が取れないと、そうならざるを得ない。プロの世界ですから。シャドーの(浅倉)廉があれだけ点を取っているということを考えると、やはり一番前でまず点を取るフィニッシャーはずっと(ほしかったので)追っていました。

―昨年からの成長部分は。
今季の開幕当初は結果を出していました。彼の特長は点を取ること。そして献身的なプレーでスペースを広くできるのが真骨頂ですから、そこは本当にJ1でも通用していた部分があります。そのままこちらでもやってもらいたいです。一緒にやっていたメンバーも多いので彼の特長も分かっているし、力を発揮しやすい状況ではあるのかなと思っています。

―スペースを広くできるプレーというのはどういった部分で。
相手が一番嫌なところにランニングすることができる。去年も一発背後で点を取ることができています。彼は動き出しが早いので、彼の動きで違うところも空いてくる。その部分もやっていってほしいです。

―何か口説き文句があったか。
原稿用紙5枚ぐらい(笑)選手を獲得する時にはチームのためというのももちろんですが、選手自身を輝かせるためという思いを持っています。サッカーうんぬんではなく、1人の人間としてという部分を大切にしています。

―他の選手への影響について。
ふざけるなと思う選手もいると思います。これだけ頑張っているのになぜと感じることはあると思います。ただやはり結果の世界ですから、結果を残さなければこうなるというのは僕自身も現役時代に感じていました。

だから、彼が来たからもっとやらなければいけないと、発奮するぐらいにやってもらいたい。あとは、彼が1トップに入る場面だと、2シャドーとの関わりやウイングバックとの関わりというところがはっきりすると思います。

彼は自分がこうしたいからこうしてくれ、こうやった方がもっと良いのではないかというのを発信するので、それによって相乗効果というか、いろんな良い面が出てくるのかなと思っています。
シズサカ シズサカ

静岡新聞社編集局運動部がサッカーや野球、バスケットボール、ラグビー、バレーボールなど、さまざまなスポーツの話題をお届けします。紙面では紹介しきれない選手たちの表情や、ちょっとしたこぼれ話をお楽しみに。最新情報は運動部の公式X(旧Twitter)でチェックを!

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