いざ、脳トレ珍道中へ!大人も子供もハマっちゃうゲーム本「弥次喜多と行く!東海道53次まちがいさがし」が話題

歌川広重の名作浮世絵が楽しいまちがい探し本に。53宿+日本橋・三条大橋も網羅

「弥次喜多と行く!東海道53次まちがいさがし」。背後にあるのは著者が作った弥次喜多


静岡新聞社編集局出版部の鈴木です。
突然ですが、皆さん江戸から京まで、東海道五十三次を遊びながら旅してみませんか?
歌川広重の名所絵をモチーフにしたゲームブック「弥次喜多と行く!東海道53次まちがいさがし」(絵・たたらなおき)がこのほど静岡新聞社から発売となりました。

旅のお供はあの“弥次さん喜多さん”。
日本橋や箱根峠、大井川、宮の渡し…ユーモアあふれるイラストに隠された「まちがい」を探しながら、ゴールの三条大橋を目指します。
問題は全部で55問(53宿+日本橋・三条大橋)。もちろん、三島宿から白須賀宿まで、静岡県内22宿もすべて網羅しています(A5判横・128頁・990円)。

各宿場ごとに左右の絵を見比べてまちがいを探す

 

「遊びながら歴史にも親しんでほしい」

そんな本作の見どころを、作者のたたらなおきさんにインタビューしました。

鈴木:どうして「まちがいさがし」を作ろうと思ったのですか?

たたら:きっかけは昨年出版した、江戸時代の滑稽本「東海道中膝栗毛」のマンガです。弥次さん喜多さんが旅する東海道の風景を描こうとした時、歌川広重の浮世絵を参考にしました。描いているうちに、広重の魅力にすっかりはまってしまって、オリジナルのイラストを描きたいと思いました。

鈴木:広重の絵の魅力はどんなところにあるのですか?

たたら:僕は絵本作家、あるいはマンガ家だから、55枚の絵を一つのストーリーとして読めるのが面白いと思った。単純に街道筋の風景を描くのではなく、春夏秋冬や朝昼晩など、変化をつけて見る人を飽きさせないように工夫しているんですよ。意外と遊び心を感じるところもあって、今回のイラストもそんなユーモラスな部分を思いっきり拡大して描いてみました。

作者のたたらなおきさん


鈴木:特に力を入れた場所は?

たたら:広重の浮世絵をただ面白おかしく変えたんじゃなくて、その土地の歴史や文化にちなんだ要素を入れ込んでいます。例えば江尻宿の絵は、もともとは三保半島しか描かれていなかったけど、現地に残る羽衣伝説にちなんで天女の絵を入れたりして。安倍川の風景も、元の絵には描かれていない安倍川餅の店を入れたりして、ぱっと見て楽しめるようになっています。

鈴木:コミカルなイラストで、さらに「まちがいさがし」ができるというわけですね。

たたら:「まちがい」を作る時も、解いた人がクスリと笑えるような遊びを入れたつもりです。子どもはもちろん、おじいちゃん・おばあちゃんも脳トレになるし、家族でわいわい解けばコミュニケーションツールにもなる。みんなで楽しみながら、街道の歴史に触れてほしいですね。

二つの絵を見比べて10個の「まちがい」を探そう!

コラボイベント「東海道中膝栗毛展」を開催!名場面の立体アートも必見

発売を記念して、コラボ企画も実施!
たたらさんが制作した立体アートの展示が、6月7日(土)から7月21日(祝)まで藤枝市郷土博物館・文学館で開催されます。
その名も「弥次さん喜多さんと楽しむ 飛び出す!東海道中膝栗毛展」。
江戸時代の滑稽本「東海道中膝栗毛」や、歌川広重「東海道五十三次」で描かれたさまざまな名場面が、段ボールで作ったユーモアあふれる立体造形になって再現されます。
作品の中に入って記念撮影もできるので、会場では、今回の「まちがいさがし」やマンガ、オリジナルグッズなどの販売も行われます。
ぜひ皆さん、会場に足を運んでみませんか?

<DATA>
■弥次さん喜多さんと楽しむ 飛び出す!東海道中膝栗毛展

期間:6月7日(土)~7月21日(祝)
場所:藤枝市郷土博物館・文学館
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜(7月21日は開館)
入館料:大人400円、中学生以下・障がい者手帳等を提示した人は無料

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