「仲のいい友達のテストが落ちていたら どう対応しますか」後を絶たないSNS上の誹謗中傷 中学生が情報発信のリスクを学ぶ=静岡市

SNSを利用したことがある人なら、一度は目にしたことがある誹謗中傷の投稿。そのリスクについて学ぶ授業が静岡市の中学校で開かれました。こんな時、あなたならどうしますか。

<常葉大学教育学部 酒井郷平准教授>
「仲のいい友達のテストが落ちていたら、あなたならどう対応しますか」

2月10日、静岡英和女学院中学校で全校生徒を対象に行われた授業。身近で起こりそうな出来事から情報を扱うリスクについて考えました。

<生徒>
「理想の結果は(相手に)バレずに点数を知ることができ、自分が得をする。最悪の結果は見つかって信用を失うし、友だちではなくなってしまう」

起こる確率と起きた時の影響の掛け算が大きくなればなるほど膨れ上がるリスク。これは、ネットの世界でも同じだといいます。では、そのリスクを減らすには、どうすればいいのでしょうか。

<常葉大学教育学部 酒井郷平准教授>
「加害者にならないということを考えた時に、発信する内容と場所をセットにしてリスクを考えてもらいたい。例えば、その時だけではなくて時間が経っても問題ないかな?こういった視点でリスクを考えてもらいたい」

手軽に情報発信ができる一方、その手軽さが大きなリスクを生むSNS。特に問題となっているのがこのSNSを使った誹謗中傷です。

「違法・有害情報センター」によりますと誹謗中傷の相談件数は年々増加傾向で、直近2023年度の相談件数は、6463件と過去最多となっています。この日の授業では、SNSを使って情報発信するリスクや気をつけるポイント、悪質な情報発信への対応方法などをあらためて確認しました。

<参加した生徒>
「誹謗中傷の加害者にならないためにも、発信する場所や内容をセットで考えて、リスクの見積もりをたてることの大切さを考えることができた」

<参加した生徒>
「誰に相談をするかという時に、今の自分のメンタル状態とか、気分の浮き沈みが激しい時とか、そういう時も状況に入れて考えなければならないと自分の落ち度を感じた」

今回、授業を担当した常葉大学の酒井郷平准教授によりますと、ネットでの書き込みで、危険をなくすことは難しいといいます。そのうえでネット上に情報発信を発信する際、
(1)行動と結果の「確率」と「影響」の予想にズレがないか考える
(2)加害者にならないよう発信する「内容」や「場所」を考える
(3)被害者になった時の「対応方法」や「相談先」を考えておく
(4)「周囲の人」や「ネットの特性」などリスクが変化する可能性を理解しておく
ことが重要ということです。

後を絶たないSNS上での誹謗中傷ですが、自分の発信が誰かを傷つけてしまう加害者にならないように慎重に発信することを心がけることが必要です。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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