2025年1月28日、埼玉県で道路が陥没しトラックが転落した事故。地下の下水管が腐食したことが原因とみられています。インフラの老朽化をめぐっては浜松市でも漏水が相次ぎ対策を進めていますが、資金と人材の不足が大きな壁となっています。
日常の風景が一変しました。1月28日、埼玉県八潮市の県道で大規模な道路の陥没が発生し、穴にトラックが転落しました。
<埼玉県 大野元裕知事>
「今後、陥没が拡大をする可能性が否定できません」
埼玉県は陥没の原因について「下水道管が腐食し穴ができ、土砂が押し流され、空洞ができた可能性がある」とインフラの老朽化に言及しています。
同じような悲劇を防ぐため、県内では点検作業が進められています。静岡県浜松市の水道工事課は水道管の水漏れがないか日々、調査・点検を進めています。
<浜松市水道工事課 山本博毅さん>
「道路の地下で水漏れが起きていないか、道路陥没などの二次被害を防ぐために市の職員がバルブの音を聞いて水漏れがあるかないかを調査している」
浜松市では2025年1月、老朽化による水道管の破損が原因とされる漏水が相次ぎました。漏水は浜松市内で年間約700件確認されていますが、その多くは老朽化が原因です。浜松市の水道管の総延長は5500キロほど。
大きな事故につながらないよう浜松市では最大1日で100か所程度の調査を行うそうです。
<浜松市水道工事課 山本博毅さん>
「漏水の音か、漏水の音じゃないのかを聞き分けるのは経験を重ねないと判断が難しい場合があり熟練の技術が必要」
老朽化が原因と分かっていれば交換をすればいいと考えてしまいますが、コストと人材不足が大きな問題として立ちはだかっていると浜松市は説明します。
<浜松市水道工事課 齊藤信考課長補佐>
「交換にあたっては費用が掛かる、その原資は水道料金になる。実際に水道の修繕工事を行う業者、水道事業体の職員の高齢化、人数が更新のサイクルに追いつかない」
待ったなしの状況となっているインフラの老朽化問題。浜松市では用途の重要性や使用年数などを考慮し優先順位をつけて、水道の老朽化対策を進める方針です。