「現金配布ではなく敬老会をもうちょっと活発にしてもいいのでは」静岡市「敬老祝い金」2025年度から廃止のワケ

静岡市は、市内の80歳以上の高齢者に贈呈している「敬老祝い金」について、2025年度から廃止する方針です。祝い金を廃止する代わりに市は敬老イベントの補助金を増額し、敬老会を活性化させていく考えです。

<静岡市 難波喬司市長>
「長寿社会になっていることもあり、80歳というのはある種もう普通になってきている。自治体の皆さんとも話をした。それで、これはやめていいんじゃないかというご意見を賛同いただいたので、祝い金はやめるという形にした」

先週の会見で、「敬老祝い金」について言及した静岡市の難波喬司市長。

静岡市ではこれまで、
▼80歳を迎えた高齢者に現金5,000円
▼88歳に1万円
▼100歳に肖像画または地場産品のお祝い品
▼108歳に20万円と地元茶葉

を贈っていましたが、これらを2025年度から廃止する方針を固めたということです。2025年度の対象者は約1万1,600人で、1億円程度の事業費が見込まれていました。難波市長は、廃止の理由について高齢化による事業費の増加や現金を配布する自治会の負担などを挙げました。

「敬老祝い金」は基本、地元自治会からの手渡し。時代に合わないその仕組みも大きな課題となっていました。

<静岡市自治会連合会 中村直保会長>
「(市から)お金を預かっているから、その方のお宅へ行って、『渡しましたよ』ということで、認め印を貰う。そうすると行ってもいなかった、また行ってもいなかったとなると心細くなる」

中村会長は祝い金廃止に理解を示しつつ、削減した予算を有効活用してほしいと話します。

<中村会長>
「せっかく予算的にあるものが他のところで使われていただければ、それはありがたいことだと思う。できるだけ、いまの敬老者のための費用としてやってもらえれば、対象者においてはいいことだと思う」

難波市長は、「祝い金」を廃止する代わりに敬老イベントの補助金を4,400万円増額する考えです。

<難波市長>
「現金の配布をするんではなくて、敬老会というものをもうちょっと活発にしてもいいんじゃないかということで、この祝い金を廃止する一方で敬老お祝い会のための費用を少しだけ増額した」

事業の見直しで、約6,300万円が削減される見込みで、市はこの費用を高齢者の見守りサービスなどに活用していきたいとしています。

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