リメイクで“フリル付きユニ”⁉「1シーズンで終わらせない」大学生が「サッカーユニホーム」ファッションショーを開くワケ

いよいよ、佳境を迎えるJリーグ。愛するクラブを支えるサポーターの中には、「選手と思いをひとつに」と、シーズンごとにユニホームを購入している人も多いはずだ。

ところで、シーズンが終わると、思い入れがたっぷり詰まった一着はどうするのだろうか。部屋に飾って眺めたり、タンスの中に大切に保管したり。でも、せっかくなら、ファッションとして普段着使いをしてみたら。そんなアイデアを提案するのは、都内の大学を中心とした学生団体「Sircle(シャクル)」だ。12月14日、都内でユニホームをテーマにしたファッションショーを開催する。

シャクルは「サッカーの力を社会のために活かす」「サッカーの可能性を示す」を掲げ、社会貢献活動に取り組んでいる団体。これまでも、JリーグやJFLのクラブと連携し、ウォーキングサッカー(歩くサッカー)大会や、ホームタウンの商店街でのイベントを企画・運営などを手掛けてきた。

「オリジナル10」をはじめJリーグ初期のユニホームの数々 

今回は、ユニホームに着目。「服」としての可能性、普段着としての着こなしを提案することで、サッカーをもっと身近に、サッカーが日常に溶け込むようになって欲しい、と企画。もちろん、ユニホームを1シーズンで終わらせない、タンスに眠らせておかずに、新たな命を吹き込むという、サステナブルな面も持ち合わせているという。

ファッションショーでは、普段着のコーディネートを紹介するとともに、一部破れたり、汚れてしまったり、小さくなってしまったユニホームにリメイクを施す。リメイクは東京家政大学の服飾デザイン系の学生が担当。中には、襟周りにフリルが付いたものもあるという。

「思い出を大切にしつつ、新たな可能性を」

ファッションショーを企画した「シャクル」の代表は、長谷川陽大さん(上智大3年)。元サッカー日本代表の中山雅史さん(現J3アスルクラロ沼津監督)と同じ静岡県藤枝市岡部町出身だ。幼い頃にサッカーを始め、高校時代は、名門藤枝東高サッカー部に所属、毎日ボールを追いかけていたという。今回、ファッションショーを企画したワケとは。

「ユニホームを介して、人を集めることができたら面白いなと思いました。今は、ファッションのトレンドとして、ユニホームを着ている人が増えています。その人たちはサッカーを知っていたり、知らなかったりとさまざま。ユニホームをきっかけに、サッカーを知ってもらえたら、と思いました。加えて、ユニホームを持っている人が、タンスにしまっていたり、さらにしまうスペースが無くなってしまい、廃棄してしまう、そんな状況を変えていけたら、と思います。ユニホームを着ることで、自分らしさを表現したり、サステナビリティにつながっていったり、いろんな可能性が広がると思います」(長谷川陽大さん)

自身もプレー経験がある長谷川さん、ユニホームにも愛着があるという。

「ユニホームは10着ほど持っています。子供の頃のものなど、サイズ的に着られなくなったのもありますが、保管しています。どれも思い入れのある大切なユニフォームです。このまま、しまっておくままではなく、リメイクやコーディネートで、さらに思い出になったり、普段から着たり、身につけることができたりしたらいいんじゃないかな、と。提供してくれた方からも、思い出を大切にしつつ、新たな形、新たな可能性を見せてほしいと言われています」

14日の本番に向け打ち合わせを重ねる長谷川さん(写真右)

その一人、静岡市駿河区の50代男性は、ファッションショーの開催を知り、衣装ケースに大切に保管していた中から、有効に使ってほしいと3着を提供した。「ユニホームは試合観戦のときに着用しているが、どのように普段着使いをするのか、楽しみ」と期待を寄せる。

長谷川さんたちが企画した「ユニフォームファッションショー Uni-Formless Show-学生が紡ぐ、サッカー×ファッションの新たな可能性-」は、12月14日(土)午後、上智大学四谷キャンパスで開催される。ファッションショーでは、リメイクで7着、着こなしや展示で50〜60着が登場する予定、また、元Jリーガーの林陵平さんを招いてのトークショー、ユニホームリメイクのドキュメンタリー映像の上映なども予定されている。

シズサカ シズサカ

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1