「わたしの防災」です。台風の発生が相次いでいますが大気の状態が不安定になるこの時期、突風への警戒も必要です。

こちらは、突風被害の一つ「竜巻」の月別の発生数のグラフです。夏場から秋にかけて多く確認されていて今月もまだまだ油断できないことがわかります。突如発生する突風からどのように身を守ればいいのか考えます。
<寺坂元貴記者>
「竜巻でしょうか。いま雲と地面が繋がって渦を巻いているように見えます」
2023年、静岡市駿河区で確認された突風被害。2つの竜巻が同じ時間帯に発生しました。

<ドライブレコーダーの音声>
「怖い、怖い、怖い、怖い」
吹き飛んだ屋根の一部とみられるものが電線に接触。火花が散る様子も確認できます。
<野田栞里記者>
「こちらのビニールハウスが密集するエリアでは、突風によって複数のハウスの屋根が吹き飛ばされました。当時の風の強さがうかがえます」

2024年も突風被害は確認されていて8月には浜松市でビニールハウスが破壊され少なくとも16棟に被害が。
約700メートルにわたって大きな爪痕を残しました。

<静岡地方気象台 鶴橋茂大気象情報官>
「突風自体が発達した積乱雲のもとで起きやすくなるので、大気が不安定な時に突風が発生しやすくなる」

突風の原因は積乱雲です。暖かく湿った空気が山などにぶつかることで強い上昇気流が発生し、縦方向に伸びた厚い積乱雲に発達します。
この雲によって大雨や雷、ひょうだけでなく竜巻などの突風が発生し地上に被害をもたらします。
特に静岡県は海に面しているため、湿った空気が入りやすく、竜巻の原因となる積乱雲が発達しやすいのです。
時に、人の生命を脅かす突風に対してどのように備えることができるのでしょうか。

<静岡地方気象台 鶴橋茂大気象情報官>
「積乱雲が近づいてくる兆しというものがありまして、真っ黒い雲が近づいてくるとか、雷がなって近づいてくるとか、急に冷たい風が吹いてきた。こういうときは積乱雲が近づく兆しということになります」
前兆現象をとらえるだけでなく、気象庁が発表する気象情報も活用できます。

「竜巻注意情報」は、竜巻などの激しい突風が予想されるときや目撃情報から突風のおそれが高まったと判断したときに注意を呼び掛けるものです。

過去5年間での静岡県内の突風被害は23件。そのうち「竜巻注意情報」が発表されていたのは10件で、およそ4割が発表中の被害となっています。
実際に竜巻などの突風が発生した場合の対処法として、防災の専門家は自宅内の居場所がポイントと話します。

<防災士 髙橋竜二さん>
「浴室なんかも窓が小さいですし、柱がある可能性があるので、ユニットバスの中は避難場所としては選択する場所にはいいところだと思います」
自宅内での避難場所には、柱の間隔が狭く強度が高い部屋や窓が小さくて飛散物の被害が少ない所が適しています。
また、大きな窓がある部屋でも養生テープで被害を軽減することができます。

実際に対策をした窓と対策をしていない窓を比較してみると…。
対策している窓の方がガラスが飛び散っていないことがわかります。
<防災士 髙橋竜二さん>
「災害時というのは命を脅かしてしまう。建物さえ破損・倒壊してしまうというのは十分考えられるので、そういう時はより安全なところに避難するというのを必ず実践してほしいです」
ここ30年ほどの期間(1991年~2024年)で竜巻が20件以上発生した都道府県は全国で7つで、そのうちの1つが静岡県です。全国的に見ても竜巻による突風被害が多いことが分かります。
竜巻注意情報などが発表された場合、大きな窓から離れるなどの対応が大切になります。