​<秋季高校野球静岡県予選> 浜松南が11年ぶり県切符 ベンチ入り15人、専用グラウンドなし 次戦は昨秋王者・常葉大菊川と 「失うものは何もない」

秋季高校野球静岡県大会予選で8月24日、浜松南が袋井商に8―1、7回コールドで快勝して11年ぶりの県大会出場を決めた。

ベンチ入りは15人。野球部専用のグラウンドを持たず、少人数のため、対外試合はもちろん実戦形式の練習ができない。不利な条件をものともせず、長打4本を含む12安打の猛攻で難敵を圧倒し、先発右腕の中村啓人投手も5安打1失点で完投。12年ぶり出場の春に続く県切符を手にした。

次戦は昨秋の県王者、常葉大菊川との上位決定戦。吉川竜太監督は「失うものは何もないので、思い切りぶつかります」と気合十分だ。

浜松南
102 003 2 =8
000 010 0 =1
袋井商
(7回コールド)

2年生9人、1年生6人

吉川監督は昨年、新規採用で同校に着任したばかり。島田高から静岡大に進み、静岡学生野球リーグでホームラン王のタイトルを獲得した実績を持つ。昨年度は部長、今年4月から監督を引き継いだ。

この日は「試合の入りにこだわってきて先制できた。課題の追加点も取れて、いい流れで試合を進められた」と納得の試合運びだった。

2年生が9人、1年生が6人。「2年生が声を出して常に引っ張ってくれています」と頼もしく感じている。

粘りが持ち味

浜松東との初戦は九回2死、走者なしからの逆転勝ち。粘り腰が持ち味だ。
捕手でリードオフマンの裏見峻太朗選手は「初戦は初回に点が取れず、先制されてしまったので、今日は何としても先制点を取るつもりだった」と初回に中前打で出塁し、先制点の足掛かりをつくるなど2安打1打点。捕手としても中村投手を好リードした。

「自分の持ち味は声。声で周りを引っ張ること。自分の声でピッチャーをどれだけカバーできるかだと思っている。(中村投手には)俺を信じて投げてこいと、ちょっとかっこつけてみました」と笑顔を見せた。

基礎練習を徹底

グラウンドが狭いため、打撃練習は原則ネット打ち。実戦形式はできず、普段は基礎練習に力を入れている。それぞれが複数ポジションを守れるように練習もしていて、裏見選手自身も昨秋、内野手から捕手にコンバートした。

吉川監督の就任後は小技や足を絡めて、いかに得点圏に走者を置くかを重視するようになった。「バント100%(成功)を掲げて練習している」と裏見選手。この日も先制点は犠打を絡めてスクイズで得点している。

チームの最終目標は夏の16強入り。春の県大会は初戦で静清にコールド負けしただけに、秋は一矢を報いたい。実績を積み上げることで、一緒に戦う仲間も増えるかもしれない。

甲子園常連校相手に「全部出し切る」

次戦、上位決定戦の相手は常葉大菊川。練習試合でも対戦がかなわない強豪と公式戦で勝負できる。この日は登板がなかったエース左腕も総力戦に備えている。

裏見選手は「甲子園によく行く高校と、1回も行ったことのない高校。力の差はあると思うけれど、負ける気はない。今日みたいに自分たちの力を全部出し切ってどこまでできるのか。全員が泥くさく、粘り強い野球をしたい」と意気盛んだ。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)
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