.jpg)
常葉大菊川の石岡諒哉監督は「要所でいい球が来てましたね。(27日の準々決勝と)連投でこれですから、素晴らしいですね。うちは100点のゲームをしないと勝ち目がない」と相手エースを絶賛しつつ、「夏は(高部投手を)打たないと甲子園に行けないので」と、決して勝負を諦めてはいない。
聖隷クリストファー
201 000 010=4
100 000 000=1
常葉大菊川
初回2失点もすかさず反撃
先発した佐藤大介投手は初回に2失点。
課題の立ち上がりにつまずいたものの、その裏にすかさず反撃に転じた。

2番を打つ佐藤選手は初球を左中間に運んで二塁打にし、続く川原一樹選手の左前適時打で生還。
「打席に入る前に高部君と目が合って、勝負というか、一気に気持ちが入りました。甘く入ってきた変化球を逆らわずに打つことができた」と、3安打の〝猛打賞〟だった。

浮き上がる直球
ただ八回2死二塁の好機は見逃し三振に倒れた。フルカウントの6球目、139キロの高めの直球を「追い込まれていたので」ファウルにし、次の142キロの7球目は「低く見えた」と見逃して三振。高めのつり球に目線を上げられた。
「(直球が)下から浮き上がってくるんです。ボールに見えたのにキャッチャーのミットに入った時はストライクだった」と高部投手の直球の伸びに舌を巻いた。
チームは要所で10三振。「高めを振ったら向こうのペースになるとは言っていたんですが、(徹底)できなかったですね。」と石岡監督。
意表突かれたチェンジアップ
聖隷が最も警戒していたリードオフマン小川優人選手が意表を突かれたのは高部投手のチェンジアップだ。1年夏からスタメン出場していた小川選手は、昨夏の4回戦で聖隷クリストファーとぶつかり、1打席だけ高部投手と対戦した経験がある。

「前までは真っすぐとカットボール中心だったので、それを狙っていたんですが、今日はチェンジアップでカウントを取られて手が出なかった。初球がチェンジで次に高めのストレートが来たり。高めストレートを見せてチェンジとか。その高めのストレートが浮いてくるんですが、伸びというかキレの良さがあって手が出ちゃうんです」
4打席目で対応
1打席目は右飛、2打席目は捕邪飛、3打席目は遊飛と、内角直球を詰まらされて打ち取られた。八回の最終打席は「真っすぐに振り遅れないように」とバットを指1本分短く持ち、3球目で張っていた高めの直球を捉えて左翼線に運び、二塁打にした。
「受け身にならず、強気に行けた」と小川選手。この日の4打席の中でしっかり修正できたのは収穫だった。

「1球の大切さ感じた」
ここまで、接戦をものにしてきた聖隷と、大差のゲームで圧倒してきた常葉大菊川は、試合運びにも違いが出た。安打数は同じ9本ながら、聖隷は無四球、無失策で3犠打を成功。常葉大菊川は3四死球、2失策で盗塁を3回試みたが2回は失敗に終わった。小川選手は「今までコールド、コールド(勝ち)で来たけれど、こういう試合になってみると1球の大切さを感じた」と初心に立ち返った。
3位決定戦に勝って東海大会に進めば、再び聖隷との対戦が実現するかも知れない。
「次勝たないと何の意味もないので、しっかり準備して3位を絶対に取る」と石岡監督。まずは、残り1枚の東海切符を全力で取りに行く。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)