「みんなが上手くなる姿が楽しみ」製茶工場をDIYでローラースポーツ施設に 練習場所の閉鎖決定受け保護者ら立ち上がる=静岡県
パリオリンピックで注目を集めたローラースポーツ。実は全国的に楽しめる場所が不足しているという課題があります。
静岡市にある専用施設も2025年で閉鎖されるなか、施設利用者が自分たちの力で代わりとなる場所を作り出しました。
静岡市葵区の山間部にあるローラースポーツパーク。この日も多くの人がインラインスケートを楽しんでいました。
勢いを付けて空中で一回転する「360°」(スリーシックスティ)。小さな凹凸に車輪を引っかけて滑るように進む「ミストリアル」。
この施設では、初心者から日本代表級の選手が一緒に練習に励みます。
<参加した子ども>
「楽しいです。あっちからこっちまで来るのが楽しい」
実はこの施設は、クラブチームの練習場所がなくなってしまうという出来事がきっかけで生まれたものでした。
2024年3月、JR東静岡駅前にある専用施設がアリーナの建設の理由に閉鎖することが発表されました。
当初から暫定利用が決まっていましたが、利用者からはそれでも継続を望む声があがっています。
静岡市も代替施設の案を示していますが、具体的な話までには至っていません。
次の見通しがつかない中、クラブチームの保護者などが立ち上がりました。自分たちで代わりの施設をつくることにしたのです。この場所は以前、製茶工場でしたが約2か月かけて整備しました。
<SENA RAMP 野村彩月さん>
「東静岡がなくなっちゃうので、その後のこの子たちが上手くなるような環境が作れて、みんなが上手くなる姿が楽しみ」
<一緒に参加する保護者>
「子どもがやりたいっていうのに、その場所がないってなると、もうそれで終わっちゃうので、そういう場所、整備できたっていうのがよかったなって思ってます」
日本トップレベルの選手であり、指導も行う岩間葵さんは子どもたちの熱量が高まったと話します。
<SENARAMP 岩間葵さん>
「前よりもさらに真剣にインラインに取り組んでくれているなっていうのがあるのでうれしいです」
行政や企業の力に頼らず、市民の手で作られたローラースポーツパーク。「子どもたちに環境を作ってあげたい」という思いがこもった大切な施設です。
東京とパリのオリンピックでは、スケートボードで合計9枚ものメダルを獲得していて、もはや「ローラースポーツ大国」といえるのに、厳しい現実があります。
ローラースポーツをめぐっては、やる場所をめぐってのトラブルの話もありますが、これもきちんと場所を確保できれば起きないことといえます。行政などがローラースポーツが楽しめる場所を整備することは喫緊の課題といえます。
「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA
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