「対応が十分だったのか考えるきっかけ」巨大地震発生の可能性は?いつまで注意必要?"臨時情報の役割"を専門家と紐解く=静岡県
<井手春希キャスター>
「スタジオにはゲストにお越しいただきました。常葉大学副学長で、津波工学が専門の阿部郁男教授です。初めての臨時情報が発表されてから、一夜明けて世の中の反応をどうご覧になりましたか」
<常葉大学副学長 阿部郁男教授>
「今回、南海トラフ地震の臨時情報という仕組みができてから、初めて巨大地震注意という情報が出されました。これに基づいていろんなところですね、さまざまな対応をしていただいたかと思うんですけども、その対応が十分だったのか足りなかったのか、あるいは余分な対応がなかったのかということを改めて考えていただく良いきっかけになったんではないかなと考えています」
<杉本真子キャスター>
「そもそも今回起きた宮崎県沖での地震と南海トラフとの関係性はどこにあるのでしょうか」
<常葉大学副学長 阿部郁男教授>
「こちらの方にフリップがありますので、それを使って説明させていただきます。今、静岡県でですね。一番恐れられている南海トラフの巨大な地震の震源域というものが、ちょうどこのフィリピンの黄色い部分になります。その黄色い部分の一番西端の宮崎県沖の日向灘というところで、今回マグニチュード7を超える比較的規模の大きい地震が発生したというふうなことになります」
<井手春希キャスター>
「過去には南海トラフ地震は連動する事例というのがありますけれども、今回の宮崎県沖での地震との関連というのはどうでしょうか」
<常葉大学副学長 阿部郁男教授>
「私たちがよく知っている調査された歴史の中では、日向灘で発生したマグニチュード7の地震が、その後南海トラフの巨大な地震につながったということはよくわかってない部分があるんですが、かといってたくさんこれまで地震が起きていますので、ひょっとしたらつながるかもしれないということになります」
<井手春希キャスター>
「そして、今回発表されたのが、南海トラフ地震臨時情報で巨大地震注意が発表されました。改めて臨時情報の仕組みを教えてください」
<常葉大学副学長 阿部郁男教授>
「先程ご覧いただきました想定震源域で、マグニチュード6.8以上の地震が起きたり、あるいは通常と異なるような地殻変動があったときに、調査中という情報が発表されて、それに基づいて調査が行われ、今回のマグニチュード7の地震が震源域で起きたものですから、それの仕組みに従って巨大地震の注意という情報が出されたということになります」
<井手春希キャスター>
「では、静岡で地震が起きる可能性というのは、今後どうなんでしょう」
<常葉大学副学長 阿部郁男教授>
「これがなかなかですね、過去の事例ではないんですが、だからと言って、その昔、もっと昔にまたいろんな地震の起こり方をしているのが南海トラフっていうところなので、それを今この段階で判断するのは難しいかなと思います」
<井手春希キャスター>
「スーパーから水や食料品がなくなったり、品薄になったり、そして花火大会は延期。海水浴場も閉鎖するところが出てきています。阿部さん、臨時情報の受け止め、そしてどう行動するか難しいところですかね」
<常葉大学副学長 阿部郁男教授>
「そうですね。今回初めて出された情報ですので、この情報が出たときにどういう行動するのかって非常に難しかったかなと思ってます。ただ、ぜひお願いしたいのはやはり、ちゃんとした公的な機関からのいろんな情報をもとに落ち着いて対応していただきたいっということになるかと思います」
<井手春希キャスター>
「まさに正しい情報を落ち着いて受けとめて行動するということが求められていますね」
<常葉大学副学長 阿部郁男教授>
「はいそうですね。これは過去に起きた地震のいろんな調査から、7日以内に巨大な地震が発生する確率が求められているんですが、今回のその巨大地震注意というケースは数百回のうちに1回その巨大な地震につながる可能性があるということになります。ですのでそのほかの数百回のところは巨大な地震につながらないというケースですので、今回も何か異変があれば必ず公的な機関から情報が発表されると思いますので、その公的な機関から出される情報にしっかり気を配っていただいて、もし情報が出た時にどういうふうに対応するのかっていうのをぜひ考えていただければなと思います」
<井手春希キャスター>
「今、まさに平常時と比べると発生の可能性が上がっている段階ですけれども、落ち着いた行動が必要ということですね。では続いて、今発表されている巨大地震注意ですが、1週間をめどに注意を続ける必要があるとされています。その1週間が明けたら、私たちはどう行動すべきですか」
<常葉大学副学長 阿部郁男教授>
「1週間明けたからといってもその地震が起こらないというふうなわけではございませんので、今回備えていただいて確認していただいた準備というのを1週間明けた後も続けていただくということが、やはりこれから大切なんじゃないかなと思っています」
<井手春希キャスター>
「今回を機に、改めて地震への備えを見つめ直していただきたいと思います」
「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA