「ジュビロ磐田はやるべきことにフォーカスを」サッカー解説者の松原良香さんがリーグ終盤に向かう静岡Jクラブのポイント解説
鬼頭:静岡のニュースとして一番はやっぱりこれかなと。藤枝順心高校が高校総体連覇!すごいですね。
松原:すごいと思いますよ。今回一番お伝えしたいのは、やっぱり見えない部分の後押しがすごく大きいということ。ヒデさんも市立船橋高でサッカーをしてたからよく分かると思うんですけど、継続が一番難しいんですよ。
藤枝順心はサッカー部と、それから順心スポーツクラブが合わさって地域に根ざした活動をしながら、社会貢献や地域貢献をしながら、順心サッカーを作ってる。だから、4季連続で日本一になれた。僕はそんなふうに見てます。
ヒデ:サッカーは上手い選手1人だけじゃ駄目だし、そこにチームメートがいて、それをさらに支える11人以外の力があって。順心はそういった総合力がやっぱりすごかったと。
松原:まさにそういうとこだと思います。
パリ五輪、その差は小さいようで大きかった
ヒデ:パリオリンピックの話をしましょうか。ちょっと残念な結果かな。ご覧になっていかがでしたか。松原:監督の大岩剛くんは高校は別々でしたが、2つ上の先輩で高校の時から一緒にやってました。選手だけじゃなく、監督も堂々と自分たちのサッカーを披露してたので、本当にすごかったと思います。
女子も準々決勝で敗退でしたが、アルゼンチンやウルグアイの僕の仲間たちは「日本の選手、めちゃくちゃうまいね」って言ってくれるんですよ。だけど、メダルを考えた時に、その差は小さいようで大きかったなっていう印象は受けましたね.
ヒデ:やっぱり上に行くチームと何か差はあったのかなと正直思います。
松原:攻撃のところでは決定力。攻撃から守備への切り替えのところ。予選の3試合ではやれていたことができなくなった。言い出したらちょっときりがないんですけど…。
ヒデ:なでしこは本当にいい試合をして、延長までいった。ちょっと1本やられた感じはありましたけど、全体的にいかがでしたか。
松原:男子と同様なんですが、堂々と自分たちのサッカーはやってたんですよ。以前はアメリカ相手だとどうしても受けに回るところがやっぱりあった。今は本当に相手の方が嫌がっていた。今はそのレベルまでいってるんですよ。男子も同様。でも、最後の部分でやっぱり上回られる。
女子で言えば、一番見ていて思ったのはパワーの違い。延長戦でやられるところなんかも。あのシュートも男子顔負けでしたよね。
ヒデ:でも、今の子たちって本当に相手がスペインだろうがドイツだろうが、関係ないですもんね。早めに海外で揉まれているから、堂々としてる。やっぱり経験や慣れというのもあるのでしょう。最終的には最後、ちょっと体力の差だったり、慎重さだったりが少し出たかなっていうのはあるんですけどね。
世界に印象を残した選手は
ヒデ:オリンピックが終わったら、9月からはA代表。ワールドカップアジア最終予選ですね。今回のU−23メンバーで、A代表に入りそうな選手はいますか?松原:小久保玲央ブライアン。彼は本当に素晴らしかった。伸びしろも含めていくと、藤田譲瑠チマ。
ヒデ:チマは安定してましたね。
松原:センターバックの高井幸大、19歳。素晴らしい。あとは細谷真大と関根大輝。自分の経験も踏まえていくと、これから彼らがどのチームでプレーするかが大事になると思います。
ヒデ:そうですね。だいぶ世界に印象を残したかなと思いますね。ビッグクラブではなくても、ステップアップは期待できるかなという活躍はしましたよね。
磐田は補強選手が機能するか
ヒデ:国内のJリーグにも目を向けましょう。鬼頭:ジュビロ磐田、大変厳しい状況です。後期はどんなところが鍵になりますか。
松原:シンプルなんですけど、やるべきことにフォーカスすること。これだけだと思いますよ。藤田俊哉さんが強化責任者になって、現場とマネジメントが両輪で走ってるっていうところはこれまでと大きく違うと思うんですね。最初に年間計画を作って、予測を立てて進めていると思います。
いろんな声が聞こえてくると思うんですよ。だけど、やっぱり自分たちのやるべきことにいかにフォーカスできるか、ここにかかってると思います。
ヒデ:藤田さんの存在は大きいですか。
松原:大きいと思いますね。やっぱり風通しが良くなったと思いますし、いきなり1年で強くなるって難しいですから。俊哉さんも、3年ぐらいの中期的なプランを立てながら進めていると思います。今後は補強した選手たちがいかに機能するか。
清水の秋葉監督をサポートしよう!
ヒデ:清水はどうですか。松原:秋葉監督は静岡でやる難しさっていうのは感じていて、僕に相談してきます。負ければ不安も感じると思う。でも、彼はそういう葛藤を持ちながらも「絶対優勝するんだ」という気持ちでいるし、いかに彼をサポートしてあげるかは最も大切なところだと思います。
ヒデ:藤枝MYFCはどうですか。
松原:藤枝は須藤監督の下、吹っ切れていると思うんですね。西谷健人選手が鳥栖に移籍したり、やっぱりチームだけでなく、個人でもショーケースを意識して“昇格”を狙っている。クラブは移籍金でしっかり売り上げを作って、次の環境を整えていく。それは監督も同じ。だから、アグレッシブで攻撃的なフットボールはすごくマッチしていると思う。
ヒデ:攻撃的なサッカーは、自分を売り出すのにはいいですよね。一番わかりやすい。
松原:そうそう。もってこいだと思いますね。みんな注目してますから。
ヒデ:そして沼津は。
松原:中山雅史監督、鈴木秀人ヘッドコーチ、田尻大基コーチ。ジュビロで一緒にやってきた人たちを中山監督は両腕に抱えて、しっかり成り立たせている。
沼津のいいところは「握る」っていう軸を持ってることだと思うんですよ。J3だと、走るボリュームが多いですが、ボールは汗をかきませんから。あとは、昨年は後期に失速したので、そこをどう今回で変えられるか。
ヒデ:僕らは応援するだけです。最後に一言お願いします。
松原:僕、静岡が大好きなんですよ。ちょうど自分の兄が静岡県の中学生年代のクラブチームの代表になったので、これからは自分が今まで見えなかったところの情報も取れたりすると思います。育成とか普及に関する情報も発信していきたいですし、静岡サッカーの力に少しでも役に立てたらと思っています。
サッカー大好き芸人、ペナルティ・ヒデと、サッカー中継のリポーターとしても活躍する鬼頭里枝の2人がお送りする番組。Jリーグから海外サッカー、ユース世代、障がい者サッカーなど幅広くスポットを当て、サッカーを通して静岡を盛り上げます。目指すは「サッカー王国静岡の復権」です!