大雨などによる車の水没を防ごうと静岡市の企業が特殊なシートを開発し、このほど、実証実験を公開しました。
<篠原大和記者>
「大雨で駐車場が浸水した想定の実験です。車が水に浮いていますが、特殊なシートで車への浸水を防いでいます」
静岡市清水区の小野田産業が開発したのは、車の水没を防ぐ「SAM―CS(サム・カーシート)」です。2022年の台風災害で多くの車が水に浸かった被害を受けて考案しました。
車の下の部分に吸盤で取り付ける緑色の「防湿気密シート」はポリエチレン素材で、車が浮くほどの高さまで増水した場合でも中に水が入るのを防ぎます。
全体をビニールシートで包む2重の構造です。オプション品の固定バンドを使用することで、水に浮いた車の漂流や他の車などへの衝突を防ぎます。
静岡県藤枝市内で行われた実証実験では、自治体の防災課など多くの関係者が視察しました。
<小野田産業 小野田良作会長>
「車は(水に)多少浮く。しかし、気密性がないので徐々に水が入って結果的に沈む。シートで覆って水が入らないようにすれば、問題なく浮いている」
小野田産業では今後、トラックなどにも対応するシートの開発を進めるということです。